【スクープ速報】『罪の声』『騙し絵の牙』『存在のすべてを』――現代を代表する社会派作家・塩田武士による、新たな傑作長篇『踊りつかれて』が発売!
「誰かが死ななきゃ分かんないの?」 禁断のテーマは「週刊誌の罪 × SNSの罰」
株式会社文藝春秋(本社:東京都千代田区 社長:飯窪成幸)は、現代を代表する社会派作家・塩田武士さんによる最新長篇『踊りつかれて』を、5月27日(火)に刊行します。
本作のテーマは「週刊誌の罪 × SNSの罰」。
『週刊文春』での連載時から話題沸騰の問題作が、ついにベールを脱ぎます。

最新作『踊りつかれて』の表紙

著者の塩田武士さん
■著者・塩田武士さんのことば
現代は「情報の世紀」だと捉えています。私自身、2010年代半ば頃からSNS社会に息苦しさを感じるようになりました。それが年々高まっていって、この苦しさはどこからくるものなのだろうと考えメモし続けてきましたが、そうするうちに、特に誹謗中傷についてはきちんと書かなければいけない、と強く思ったんです。
誰もが発信者になれる今は、言葉によって命が揺らぐ時代です。SNS上では匿名性が免罪符になって、怒りをぶつけたり、嘲笑することが娯楽になっています。集団で実在の人間をいたぶる悪趣味な宴が、質感のないネット空間で日夜繰り広げられている――本当にこのままでいいのか。情報を公開することの重み、ニュースを鵜呑みにする危険性、炎上に加担する陰湿さから目を逸らし続けてもいいのか。言葉は本来、人間の成熟度をシビアに測る「物差し」ではないのか。
伝えたいという気持ちを超え、読者の方々と物語を共有したいと思ったのは、作家になって初めてのことです。読んでいる間に腹を立てたり、罪悪感を覚えたりするかもしれませんが、「自分はいかに悪意と向き合うか」を考えずにはいられない、迫真の小説を目指しました。思う存分「現代」を味わってください。

塩田さんの直筆コメント
■『踊りつかれて』あらすじ
言葉が異次元の暴力になるこの時代。
不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷を受けた
人気お笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。
一方、バブル期の華やかなりし芸能界を駆け抜けた
伝説の歌姫・奥田美月は写真週刊誌のデタラメに踊らされ、
人前から姿を消した。
彼らが目にした絶望、それは――。
■『踊りつかれて』<序章 宣戦布告>から一部公開
よく聞け、匿名性で武装した卑怯者ども。
SNSなんてなくなればいいのにな。えっ、ダメ? 余計なこと言うなって? そうだよなぁ。やっとおまえら権力者になれたもんな。炎上させて誰かが何かを諦めたときに、社会を変えてやったと実感できるもんな。そうやって表面的な正義感で研いだナイフで、悪意の塊でつくった毒で世直ししてるもんな。
やっぱり俺は週刊誌とおまえたちを赦せない。
だからやってやるよ。俺には俺の、ケジメのつけ方ってもんがあるんだよ。
これから重罪認定した八十三人の氏名、年齢、住所、会社、学校、判明した個人情報の全てを公開していく。
八十三なんて数字は氷山の一角に過ぎない。だが、図に乗ってると、次はおまえの番になるから肝に銘じておけ。
明日にはおまえたちの人生はめちゃくちゃになっている。
せめて今日を楽しめ。あばよ。
*『踊りつかれて』<序章 宣戦布告> 全文公開中!
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「誰かが死ななきゃ分かんないの?」――『週刊文春』連載時から話題沸騰! 『罪の声』や『存在のすべてを』の塩田武士さん最新作『踊りつかれて』より、衝撃の序章〈宣戦布告〉を大公開!
https://books.bunshun.jp/articles/-/9991
■徹底的な深い取材と圧倒的な数の資料をもとに書きあげられた『踊りつかれて』
社会派小説の巨匠である松本清張と山崎豊子を敬愛し、自らもその高みを目指す塩田さん。「虚と実のあいだで作品を生み出したい」という強い思いから、足を使って取材を重ね、多くの資料にも徹底的にあたって『踊りつかれて』を書き上げました。
「参考文献」の一部を公開します。






『踊りつかれて』に使用された参考文献一覧(一部)
・『ザ・ベストテンの作り方』(三原康博、テレビ美術研究会【編】/双葉社)
・『ザ・ベストテン』(山田修爾/新潮文庫)
・『別冊ザテレビジョン ザ・ベストテン ~蘇る! 80'sポップスHITヒストリー~』(角川インタラクティブ・メディア)
・『80年代 日本のポップス・クロニクル』(萩原健太/P ヴァイン)
・『80年代音楽に恋して』(落合真司/青弓社)
・『「FMステーション」とエアチェックの80年代 僕らの音楽青春記』(恩藏茂/河出文庫)
・『1980年代』(斎藤美奈子 成田龍一【編著】/河出ブックス)
・『芸能界誕生』(戸部田誠(てれびのスキマ)/新潮新書)
・『東京大学「80年代地下文化論」講義 決定版』(宮沢章夫/河出書房新社)
・『平凡 Special 僕らの80年代』(マガジンハウス)
・『シティ・ポップとラジカセ 70~80年代のカセットテープ・カルチャーを振り返る』(開発社【編著】/徳間書店)
・『スキャンダル 墓場まで持っていかない話』(高部務/小学館)
・『昭和芸能事件史』(二田一比古/サイゾー)
・『「週刊現代」編集長戦記』(元木昌彦/イースト新書)
・『完全保存版 THE 芸能スキャンダル!』(日刊ゲンダイ【編】/徳間書店)
・『ジャーナリズムは再生できるか 激変する英国メディア』(門奈直樹/岩波書店)
・『概説サイバー犯罪 法令解説と捜査・公判の実際』(河村博 上冨敏伸 島田健一【編】/青林書院)
・CD『若草恵 サウンドマジック~編曲美学~』(Universal Music)
・『別府市(1975) ゼンリンの住宅地図』(善隣出版社)
*その他、評伝など様々な資料を参照いたしました。
塩田さんはなぜ「誹謗中傷」をテーマに週刊文春で連載するに至ったのか?
執筆にまつわる秘話も公開中です!
『文春読書オンライン』
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「誹謗中傷をテーマに週刊文春で連載したい!」社会派作家・塩田武士の最新長篇『踊りつかれて』出版秘話〈週刊誌の罪×SNSの罰〉
https://bunshun.jp/articles/-/79260
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週刊誌の中吊り広告をイメージして作られた『踊りつかれて』の内容を紹介する書店用POP
■全国の書店員から、推薦コメントが続々届いています!
紀伊國屋書店西武東戸塚S.C.店 鶴見祐空さんもうずいぶん前から踊りつかれている。SNSに。ネットニュースに。
もういい、もういいよと願うのもつかれた。
ネット社会に対する圧倒的な敗北感でかき消された怒りに、絶望に、かなしみに、この作品は言葉を与えてくれました。
こんな作品が書かれることをどこかでずっと待っていたように思います。
高坂書店 井上哲也さん
本作は直ぐそこにある緊張と恐怖の現実を、緻密な取材と膨大な情報の解析によりエンターテインメントにまで高め上げた、見事な物語であり、令和の今だからこそ、より多くの人に読んで貰うべき作品である。
立ち止まって、深呼吸して、今の自分自身を見つめ直す時間が、誰しも必要であろう。
序章から終章まで、息をもつかせぬ展開の連続で、500頁近いボリュームを微塵も感じさせない、正に超弩級の一気読み小説。
ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん
SNSで情報が氾濫している社会への警鐘を鳴らし、人間への愛しい思いが、厳しくも温かい眼差しで語られていた傑作に心が震えた。
自分を戒めた。今私たちが知らなければならないことが思いを込めて綴られていた。
踊らされたくない。踊りたい。
人を語る時、確実な事実を知り、思いをこめて、心あることを語りたい。
紀伊國屋書店梅田本店 小泉真規子さん
「言霊」という語彙をもつ日本人だからこそ
言葉には良くも悪くも大きな力があることを
誰よりも知って、信じていなければならないと強く感じた。
うさぎや矢板店 山田恵理子さん
時代の闇に炙られ、今やSNSの波に踊らされる恐怖と、哀しくも至純の光が胸に広がる。尊き命への問題提起と人間愛が伝わってくる作品だ。
■著者プロフィール
塩田武士(しおた・たけし)
1979年兵庫県生まれ。関西学院大学卒業後、神戸新聞社に入社。2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、小説家デビュー。同作は第23回将棋ペンクラブ大賞文芸部門大賞も受賞した。2012年に神戸新聞社を退社し、専業作家に。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第一位。2019年『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2024年『存在のすべてを』で第9回渡辺淳一文学賞を受賞。その他の著書に『崩壊』『雪の香り』『騙し絵の牙』『デルタの羊』『朱色の化身』などがある。

■書誌情報
書 名:『踊りつかれて』
著 者:塩田武士
判 型:四六判上製カバー装
定 価:2,420円(税込)
発売日:2025年5月27日
ISBN:978-4-16-391980-5
書誌URL:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163919805
塩田さんの取材対応が可能です。ぜひ、ご検討ください。
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