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「孤独な創造性を繋ぐ事で、魅力的な世界を」シェル美術賞・小川さん

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アート・絵画・工芸
公募ニュース
結果発表

将来性のある若手作家(40 歳以下)の発掘を目的とする「シェル美術賞」は、創立から60周年を迎えました。企業による芸術・文化を通じた社会貢献活動を顕彰する「メセナアワード2016」でも優秀賞にも選ばれ、ますます注目度が上がっています。

 

節目となる今回は570名の作家から791点の作品応募があり、グランプリ1作、ほか全8点が受賞。公募ニュースではその受賞作品と、作家さんのコメントを紹介していきます。

 

 

<グランプリ>小川直樹『メモリアル』

【作家名】 小川 直樹(Naoki Ogawa)/メモリアル 【製作年】 2016 【サイズ】 162×162 cm 【技法】 油彩・キャンバス
016年/162×162cm/油彩・キャンバス

受賞のことば

このような大きな賞を頂き大変光栄に思います。自分が訪れた故郷の場所で得たイメージから作品が現れ、その作品が普段の日常から離れた場所で選考を通り、多くの方に鑑賞して頂ける機会を得た事に不思議な心持ちでおります。この機会に多くの方に作品を御覧頂ければ、そしてそれが何らかの形で記憶の中に留まってくれれば嬉しく思います。

 

シェル美術賞応募動機

シェル美術賞展での展示は、私個人の展示ではとても出来ない集客力があります。自分の制作したものと他者を繋げる大規模な場として魅力的な発表の場です。

 

創作テーマについて

個人が持つ時間、その中で出会う光景や出来事の中にその人だけが見つける事の出来る部分があるのだと思います。共通認識としての世界の形ではなく、細かく枝別れしていく通路を歩き続ける様に外ではなく内側へ向かって意識を広げて行く事、そこで現れる個人の孤独な想像性を繋ぐ事で、魅力的な世界が立ち現れる事に期待感を持って制作しています。

 

受賞作品について

描かれている灯台は私の故郷にあるものです。その昔灯台を作った当時の人々の姿、遠縁の詩人の男性が灯台下の松林の中で海を眺め思いを巡らせた時間、そして2016年に生きる私が改めて知る機会を得た境界の光景。灯台下暗しとは面白い言葉だと思います、流れて行く時間の中に気付くことの難しい深みや奥行きが隠されているのであれば、それを感じ紡ぐ事で人それぞれの世界の有様を見出す事ができるのではないかと思います。

 

今後の目標

今までの制作スタイルを保ちつつ、より発表の機会を得られる様に多くの方に関心を持って頂ければと思います。制作に関しては、今まで以上に自分の限界を超えるもの、単純に今まで描いた事の無いサイズに挑戦したり、独自の技法を深めていきたいと思います。

 

小川直樹

1984 年生まれ 兵庫県在住

2008 年 成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス研究生修了

2012 年 個展(O Gallery eyes)

    群馬青年ビエンナーレ2012 入選

2013 年 個展(O Gallery eyes)

2014 年 個展(O Gallery eyes)

2015 年 琳派400 年記念

    「新鋭選抜展 琳派の伝統から、RIMPA の創造へ」

    個展(O Gallery eyes)

    個展(O ギャラリー)

2016 年 損保ジャパン日本興亜美術賞FACE2016

    審査員特別賞・オーディエンス賞

    個展(O Gallery eyes)