「みんなで選ぶ京都本大賞」は投稿サイトから始まったあの作品が受賞
過去1年間に発刊された京都府を舞台にした小説の中から、「もっとも地元の人々に読んでほしい」と思う小説を決める「みんなで選ぶ 京都本大賞」。選考は書店員だけでなく、一般の読者と共に投票で決定します。
過去の受賞作に岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿』(宝島社)、森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版)、七月隆文『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(宝島社)などがありますが、第四回の大賞は『京都寺町三条のホームズ』(著:望月麻衣、発行:双葉社)に決定しました。
著者の望月麻衣さんは2011年より小説投稿サイト「エブリスタ」で活動開始。2014年5月より連載が開始した「京都寺町三条のホームズ」は、2015年4月に同名で双葉社より書籍化され、現在5巻まで発売中です。小説投稿サイト発の作品が「京都本大賞」に選ばれるのは、今回が初めてとなります。
この作品の受賞がが注目されているのは、各エピソードに関連して、京都の名所や季節の行事が魅力的に描かれてるのはもちろんですが、気軽に投稿できる小説投稿サイトから人気を博して書籍化、そして受賞という、新しい形の執筆スタイルの成功例ともいえます。
望月麻衣 受賞コメント
「この度は、僭越ながら『京都本大賞』という素晴らしい賞をいただき、とても嬉しく思っております。拙作を応援してくださった、すべての方々に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。」
望月麻衣(もちづき・まい)プロフィール
北海道出身、京都府在住。2013年に「E★エブリスタ主催 第2回電子書籍大賞」受賞。主著に『京都寺町三条のホームズ』(双葉文庫)、『わが家は祇園(まち)の拝み屋さん』(角川文庫)、『お嬢様・綾小路美優さんのヒミツ!』(小学館エンジェル文庫)、『花嵐ガール』(主婦の友社)など。
『京都寺町三条のホームズ』あらすじ
京都の寺町三条商店街にポツリとたたずむ、骨董品店『蔵』。女子高生の真城葵はひょんなことから、そこの店主の息子、家頭清貴と知り合い、アルバイトを始めることになる。清貴は物腰は柔らかいが恐ろしく勘が鋭く、『寺町のホームズ』と呼ばれていた。葵は清貴とともに、客から持ち込まれる、骨董品にまつわる様々な依頼を受けるが…