原作小説家という選択肢「第二回ステキブンゲイ マンガ原作大賞」
一般文芸のための小説投稿サイト、ステキブンゲイが「第二回ステキブンゲイ マンガ原作大賞」を開催しています。
「次にヒットするネクストブレイク作品」の発掘を目的として創設された本コンテスト。第一回開催では265編の応募がありました。プロットや企画書の提出はなく、応募は小説投稿のみで可能です。第二回開催の締め切りは2023年6月30日。大賞作品はコミカライズされます。
「小説だけ」はもう古い? マンガ原作小説のすすめ
エンタメ産業の多様化に伴って、コミカライズや映画化などメディアミックスを前提とした作品制作が当たり前の時代になりつつあります。人気小説は瞬く間にマンガ化やアニメ化されますよね。
同時に、複数人でひとつの作品を制作する事例も、以前より多くなりました。
アニメ化で話題のマンガ「推しの子」。作者は誰かご存じですか?
あの頭に残る絵を描いているのが横槍メンゴ氏、そして原作を担当しているのが赤坂アカ氏です。
近年のマンガ制作現場では、とくにWEBコンテンツにおいて、分業化が進んでいます。
日本の上位WEBマンガサービスA・B・Cにおける、サイト内総合ランキング上位20作品のうち、「原作」と「作画」が分かれている作品数を調べました。
表1:マンガサービスの上位20作品のうち、「原作」がある作品数(2023年6月8日公募ガイド社調べ)
読まれている作品の大半に原作者がいることがわかります。
一口に「マンガ作者」といっても一人で制作しているわけではなく、「原作」や「脚本」、「キャラクターデザイン」、「作画」などの担当者に細分化されている場合も少なくありません。
そんな中、注目が高まっているのは、ここ数年で急増したマンガ原作小説コンテストです。
特徴は、
表2:マンガ原作小説の特徴
といった点。
マンガ制作の現場において、原作小説は完成形ではなく中間制作物です。自分の作った作品がそのまま読者に届く普通の小説とは異なります。そのため、小説家になりたい人は多くても、原作者やシナリオライターは不足しているともいわれます。
コンテスト数急増の背景にも、そういった事情があるのでしょう。
小説のみでの出版を目指すのもよいですが、すぐにでもデビューを目指したい人は、マンガ原作小説家という道もあることを知っておいて損はありません。
普通の小説の書き方ではマンガ原作コンテストに通過できない!?
そんなマンガ原作小説コンテストに応募する際は、普通の文学賞とは異なる点に注意が必要です。
表3:一般の文学賞と漫画原作小説コンテストの違い
上の表は一般的な文学賞と漫画原作小説コンテストの特徴を比較したのものですが、マンガ原作はただ小説を書くのではなく、コミカライズを意識した作りにすることが重要です。
たとえば、「地の文」の扱い。マンガには基本地の文がないので、原作小説に地の文が多いとマンガ化しづらくなってしまいます。
構成に関しても、「1日1話無料」などの話売り形式の掲載サイトが多いため、各話に盛り上がりと引きがある作品が求められます。
上記の注意点を守らなければ、良い作品であっても選考に通らない場合は多々あります。
そう言われると、マンガ原作を書いたことがない方は不安かもしれません。
マンガ原作コンテストにも、主催者ごとの色があります。内容の良し悪しではなく「コミカライズのしやすさ」で一次審査の合否を決める主催者や、形式は重視せずマンガ化した後のおもしろさにのみ着目する主催者まで様々。自分に合ったコンテストをしっかり見極めたいですよね。
キャッチーな作品でなくても大丈夫! ステキブンゲイで「次に売れる作品」を作ろう
マンガ原作小説では、中間制作物であることが重要と述べました。
「ステキブンゲイ マンガ原作大賞」ではどのような作品が評価されるのでしょうか。ステキブンゲイ担当者のTさんに取材してみました。
「本コンテストの評価ポイントとしては、作品の世界観やキャラクター設定のおもしろさに重きを置いています。
もちろん、それ単体で完成しているものであれば「ストーリーの完成度」という点で評価につながる部分もありますが、いわゆる「中間制作物」でも「小説作品」でも、平等に審査対象としています。」(Tさん)
とのこと。
昨年の入賞作を見ると「恋愛」や「ヒューマンドラマ」が目立ちます。作品のキャッチーさはあまり重視されていないようです。
しかし、「ステキブンゲイ マンガ原作大賞」を受賞すれば、すぐに作品は大ヒット、人気作家の仲間入りをして大金持ちになれるのかといえば、そういうわけでもありません。
他社の一般的なマンガ原作コンテストがいわゆる「なろう系」のすぐ売れる小説を求めているのに対し、ステキブンゲイの作品ジャンルは一般文芸。コンセプトは「次にヒットするネクストブレイク作品」です。
ステキブンゲイは、次の時代を作るような作品を求めています。
逆にいえば、すぐ売れるような作品でなくても、ステキブンゲイでは埋もれないということ。
初めてマンガ原作を書く方、玄人で腕試しをしたい方、どちらの方にも挑戦しやすいコンテストです。
小説家になりたい人はぜひチャレンジしてみてください!
公募ガイド社員。物語を書くと必ずバッドエンドになる。好きな武器はまきびしとクナイ。
出典: https://sutekibungei.com/manga_contest2
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