「さまざまな公募に応募したが、思うように結果がでなくて嫌になる」「日常生活に追われて、創作活動に当てる時間がない」「私の作品なんて誰も必要としていないし」。そんなふうに何かと理由をつけて創作活動を中断している人、いませんか？

雑念にとらわれるのは、創作魂の火が消えかかっている証拠。さあ、こういうときこそ、思い出してみましょう。あなたはなんのために創作を行うのか、何を表現したくて創作活動を始めたのかを！

今回は、あなたと同じように悩み苦しみながら、それでも創作をやめられない人を描いた作品全10点をご紹介したいと思います。ただひたすらに己の作品に向き合う人は、こんなにも美しい。萎んだあなたの創作意欲を鼓舞してくれる作品が、この中にあることを切に願っています。

休職し、ぎりぎりの心で小説家を目指す物語  『あくたの死に際』　

夢を追いかけるのはもう限界……と感じ始めた人にこそ、読んでほしい作品。「そろそろ現実を見て、夢を諦めよう」なーんて言っちゃってますけど、それ、心の底から納得したうえでの言葉ですか？　本作品の主人公・黒田も、かつてはそういって夢を諦めたうちの一人でした。仕事も恋も順風満帆。でも、やっぱり創作のない日常は生きた心地がしないのです。創作に携わる登場人物たちの鬼気迫る表情と台詞に、“創作とは命を削る行為”だということをまざまざと見せつけられることウケアイです。密度の高い作画と内に訴えかける濃厚な物語は、裏サンデーとマンガワンで絶賛連載中！

作品データ　コミック『あくたの死に際』（１）（竹屋まり子）

コピーライターの世界って過酷だ！ 『ゾワワの神様』

人気作家やコピーライターに憧れるあまり、“言葉遊び”に夢中になっていませんか？　一見クールでエモいワードに見えるけど、それ……ただの自己満足かもしれません。「私のことかも？」とドキっとした人は、新人コピーライターの「ぼく」と一緒に、人に何かを伝えるための言葉について改めて考えてみましょう。デザイナーやイラストレーターなど、先輩クリエイターたちの辛辣な言葉は、創作に携わる人にとっての金言ばかり。きっとあなたもゾワらずにはいられないはず！　こちらは就活サイト「マスナビ」で連載中。ぜひチェックしてみてください。

作品データ　コミック『ゾワワの神様』（うえはらけいた）

そっかー！　読みたいなら、描けばいいんだ!! 『これ描いて死ね』

いわずとしれた「マンガ大賞2023」大賞作。大・大・大好きな漫画家を追いかけて、同人誌即売会に初参加したヒロインが「漫画って自分で描けるのか！」と気づくシーンは超有名ですね。自分が読みたいものは、自分が一番知っているといっても過言ではありません。だったら、自分で描いちゃえばよくない？　最初からうまい人なんて、誰もいないのです。まねごとからでもいい。つまずいても、遠回りでも、自分が理想とする作品は自分にしか作れないのですから。混じりっけのない漫画への情熱が詰まった少女の成長譚は、現在3巻まで好評発売中です！

作品データ　コミック『これ描いて死ね』（１）（とよ田みのる）

その文才が、世界を拓く 『響～小説家になる方法～』

芥川賞と直木賞をW受賞するほどの文才を持つヒロイン・響が、圧倒的な筆致でセンセーションを起こしていく物語。デビューまもなく純文学界のスターになる響ですが、天才にも欠点があります。自分に嘘がつけなくて人に迷惑をかけたり、歯に衣着せぬ物言いで誰かを傷つけてしまったりすることもしばしば。尖った感性と価値観は、時に社会になじめない原因を作ります。それでも日本の文芸界をペン１本で激変させたのはヒロインにほかなりません。不登校ぎみだったり、会社になじめなかったり……。そんなあなたが書いた物語こそ、社会を、世界を巻き込んでいくのかも。気になった方はLINEマンガでぜひ試し読みを！

作品データ　コミック『響～小説家になる方法～』（１）（柳本光晴）

好きなことを見つけるって素晴らしい！ 『ブルーピリオド』

芸術の世界というのは、好きな気持ちだけでやっていけるほど甘くありません。それでも、毎年多くの学生が芸大の門を叩きます。ほとんどの人が報われない現実を知ってもなお、本気で目指したい。周りと比較され、評価される怖さをねじ伏せてでも、飛び込みたい。そんな一心不乱に「好き」を追求している人も、時に落ち込んでしまうことがあるはず。どうにもままならないときはこちらの作品を読めば、しょぼくれた背中がスッと伸びるかもしれません。美術に全く興味がなかった不良高校生が、同級生の絵に感化されて美大を志すようになるところまで読めますので、気になった方はいますぐアフタヌーン公式サイトへ。

作品データ　コミック『ブルーピリオド』（１）（山口つばさ）