創作魂に火をつけろ!(2/2)
非凡と平凡……才能とは何か。 『左ききのエレン』
創作活動をしていると、必ず一度は「自分には才能があるのだろうか」と自問することがあると思います。面と向かうには辛辣で、言い訳として使うには便利な「才能」という言葉に振り回されそうになったとき、本作を手に取って「才能」について今一度考えてみてはいかがでしょうか。大手広告代理店に勤務する主人公を中心に展開されるクリエイター群像劇は、“天才になれなかったすべての人へ”と鮮烈なコピーから始まります。本作で描かれているさまざまな「才能」のなかに、あなたの答えがみつかるかもしれません。少年ジャンプ+にある漫画はもちろん、他メディアミックス作品もありますので探してみてくださいね。
作品データ コミック『左ききのエレン』1(かっぴー)
三流編集者と売れない作家が出版界にケンカをしかける 『小説王』
AIなどの技術進歩により、多くのクリエイターが創作に対して疲れを感じたり、やりがいを感じられなくなっている昨今。AIが台頭する未来や創作活動のこれからについて考えれば考えるほど、暗い気持ちになりがちです。そうした創作物にまつわる閉塞感を持つ人は、本作の主人公たちに共感するところがあるかも。作中では出版不況や作家の厳しい現状など、出版や文芸に関するさまざまな苦況が描かれています。しかし逆境のなかでも文芸にこだわり、三流編集者と売れない作家の幼なじみタッグが出版界に殴り込みに行く姿にはきっと勇気がもらえるはず。創作への愛にあふれた本作はドラマ化もされていますので、試し読みのあとはそちらもぜひ。
作品データ 小説『小説王』(早見和真)
プライドは、ぶつかりあってこそ 『冴えない彼女の育てかた』
創作の原点である「好き」を思い出したいあなたにぴったりなのがこちら。ライトノベルと侮るなかれ。美少女ゲーム制作を通して描かれる、恋と成長と若き高校生クリエイターたちの矜恃のぶつかり合いは見応えたっぷりです。主軸はラノベらしいハーレムラブコメですが、イラストレーターやラノベ作家、ゲームディレクターが自分の才能に絶望したり、目的を見失ったり、ライバルに打ちのめされながらも、自分を表現できる場所を見つけていく様子が描かれています。特設サイトの試し読みに加え、女子キャラクターのカットにフェティシズムが感じられるアニメもありますので、そちらから入っても◎。
作品データ 小説『冴えない彼女の育てかた』(丸戸史明)
外へ、内へとつながっていく。 『線は、僕を描く』
水墨画をテーマに、主人公の成長と心の再生を描いたメフィスト賞受賞作。水墨画の世界が鮮やかに描かれているところがオススメポイントなのはもちろんですが、ここで注目したいのは「絵を描くこと」の意味について考えさせられる物語だということです。あなたは何のために描きますか。何をどう描けば、その絵は“あなた”になりますか。あなたが一筆、一筆、思いを込めて描いたその線は、自分の内側と向き合うことにつながっているのかもしれません。爽やかな読後が味わえる本作のメディアミックス作品には、横浜流星さん主演の映画作品に加えて、全4巻のコミカライズもあり!
作品データ 小説『線は、僕を描く』(砥上裕將)
あの頃の夢、まだ追いかけていますか 『SHIROBAKO』
「いつか一緒にプロになろう!」。冗談まじりでした若き日の約束を思い出させてくれるのがこちらのアニメ作品です。主人公は、アニメ業界のいろいろな立場で働く5人の女の子。クリエイティブな現場らしい衝突、商業ならではの厳しい現実にぶちあたりつつも、5人でいつか一緒にアニメを作るという夢を叶えるために、日々仕事に奔走する姿には胸を打たれるものがあります。時に傷つき、時に思いっきり壁にぶちあたりながら、彼女たちは自らの殻を破っていく。ヒロインたちが一人前になっていくのを見届けるうちに、あなたの中に創作したいという思いが頭をもたげてくるはずです。ABEMA、FODで1話が無料配信中なので、気になった方は見てみてくださいね。
作品データ アニメ『SHIROBAKO』(武蔵野アニメーション)
気になる作品はありましたか?
創作について、みなさんと同じように悩み苦しみながら、それでも創作をやめられない人を描いた作品をご紹介しました。
名作にモチベーションをもらいながら、素敵な作品を作ってください!!