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着想のヒント、差し上げます①:ネタの集め方、 ストックの仕方

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ただ待っているだけではネタは集まらないし、ストックの仕方が悪いとアイデアも生まれない。
ネタの集め方とストックの仕方を知っておこう。

漫然と暮らさない。創作する目で探る。

書くネタは、見つけようとしないと見つからない。アンテナを立てると言うが、創作する目で日々探すことが肝要だ。
集めるネタは、あなたの心に引っかかったものならなんでもいい。
「【年輪の幅が広いほうは南側】はウソ」のような「へえ」という事実でもいいし、意見や分析結果、真理、名言でもいい。また、うまい言い方だという表現もチェックしよう。中には、真偽の不確かなものもあるが、集めるときは集めることに集中し、真偽の確認はあとでいい。ただし、あとで確認できるようにネタの出どころだけはメモしておこう。

どこから集めるか

情報収集というと、まず浮かぶのはインターネットだろう。SNSやニュースサイトには情報があふれている。もちろん、従来のメディアである新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、書籍には精査された情報があり、これらも見逃せない。情報源は偏らないほうがよく、インターネットから書籍まで幅広く利用したい。
また、街角で目にした広告や、居酒屋の隣の席のカップルの会話、家庭や会社での雑談でも、気になったことはなんでも収集する。情報は集めすぎて悪いことはない。

メモする派としない派

ネタをメモしない派は、メモをするとかえって忘れてしまうと言う。だからメモ帳にメモせず、心にメモをする。それでも忘れてしまうようなものはいらないという考えだ。
一方、メモする派は備忘録として控えておく。また、メモとメモが化学反応を起こし、新しいものを生む期待も込めてメモをする。

あとで使えるようにヒントを残しておく

ネタを集めたらストックしておきたいが、そのとき、あとで見る自分に向けてヒントを残しておく。
意見だけ書かれてあっても、誰がどこで言った意見か書いておかないと確認できない。
真理にしても「動物は命を奪わずには生きていけない」だけでは
「はて? これは何? なんでこんなふうに感じたんだ」となりかねないが、「『ブタがいた教室』という映画では、クラスでブタを飼い、最後に殺して食べた」のようにメモしておけば、当時の気持ちを知る手がかりになる。
表現も、「村上春樹『風の歌を聴け』56ページ」のようにメモしておくと原文を探しやすい。

ある程度は調べ、箇条書きにする

 川端康成『雪国』は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」のあとに「夜の底が白くなった。」とあるが、これを「面白い」と思うだけでは忘れてしまう。
この箇所は普通に書けば「夜空の下、大地は白く横たわっていた。」などになる。では、川端康成はなぜそう書かなかったか。答えは川端康成が新感覚派という新しい表現を目指した一派に属していたことに起因するが、このことは今は置いておく。
重要なのは、「へえ」と思ったら、「なんで?」と疑問に思い、ある程度は"掘って"みること。スマホで10分ほどちょちょいと検索してみるだけでもいい。それだけでも記憶に残りやすい。
あとは調べたことをネタ帳にメモするわけだが、このとき、分類しないこと。
それだとあとで探しにくいが、ネタ帳は記録するためにあるというより、ネタ同士を化学反応させるためにあると考えると、探しにくいほうがいい。探すためにはネタ帳を見返さなければならず、見返すとネタとネタが組み合わさって新しいアイデアが生まれる。

やってみよう、夢日記

夏目漱石に『夢十夜』という小説があるが、夢で見たことが作品になることがある。小説なら小説、俳句なら俳句のことをずっと考えていないとこういう夢は見ないが、見たら目覚めてすぐにメモする。そうしないと一瞬で忘れてしまう。

ネタストックのコツ

エピソード記憶で覚える

記憶には意味記憶とエピソード記憶があるが、エピソードにからめると忘れにくい。たとえば、「へえ」と思うようなウンチクがあったとして、それを誰かに話すなどして出来事として記憶するとあとで思い出しやすくなる。

ある程度は掘る

「これは使える」「これは名言だ」というネタを探せたら、できるだけ掘り下げてみる。一番いいのはインターネット。検索すると関連することがいろいろ出てくる。この行為自体が上記のエピソード記憶にもつながってくる。

時々振り返る

引き出しにしまっても、出てこないのでは意味がない。引き出しやすくするには、ときどき振り返り、記憶のどこに保管したか思い出しやすくしておく必要がある。振り返るにはパソコンよりアナログのネタ帳のほうが便利。

未来の自分を信じないことがコツ

メモの仕方でネタが生きる

 あとでメモを見て、「何が引っかかったのだろう」と思ってしまうことがある。
そんなことになってしまうのを防ぐヒントが、今年話題になった実用書『すごいメモ。』の中に書かれている。

メモには、自分がメモを取ったときの「記憶」が残っています。だから、多少、文字が読めなくても、どういう意図で書いたか、どういう内容だったかを、記憶が補ってくれる。(中略)ところが、時間がたつと、書いたときの記憶が薄れます

(小西利行『すごいメモ。』)

では、どうするか。
いつでも、メモを見るだけでそのときの発言やポイントが思い出せて、何を考えるべきかが、すぐわかるメモ。未来の自分に、考えるきっかけを残すメモを書くべきなのです

(小西利行『すごいメモ。』)

具体的には、下記に挙げたように記号で関係を示したり、ふきだしでヒントを書いたりするのだが、とにかく、未来の自分を信用せず、メモを見ただけですぐに思い出せるように詳しく書いておくこと。このポイントを知っていれば、あなたのメモはきっと変わる!

メモをまとめる5か条

1.重要項目に○をつける

箇条書きにしたときなど、重要なものに○をつける。この○は3つ以内にする。多すぎると何が重要かわからなくなる。

2.記号で関係を示す

「→」=展開、「VS」=競合、「?」=不明点、「☆」=重要、「⇔」=対比ということが一目でわかるようにしておく。

3.吹き出しでヒントを

メモを見て、「ここから考えよう」「ここを解明しよう」「ここを伸ばそう」など、考え方のヒントを見出しにしておく。

4.年月日と見出しを

メモをした年月日を書いておく。去年の同時期はどんなことをメモしただろうかと振り返ると、情報との再会が起こる。

5.デジタルも併用 

見つけたネタや思いつきをどんどん入力する。いろいろな言葉をタイトルに入れ、タグづけしておくと検索するときに便利。

 

※本記事は「公募ガイド2018年12月号」の記事を再掲載したものです。