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中村航選 プロットだけ大賞 第2回 入選 ラフ

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作文・エッセイ
プロットだけ大賞
結果発表

-第2回-
結果発表

お題ログライン

夫のモラハラで家出した主人公が、誰にも居場所を告げずゼロから人生をやり直すことで自分を知り、本当の人生を歩み出す話。


入 選

「ラフ」
有紀穂高(著)

4.3★★★★
カテゴリ 芸術 モラハラ 離婚 小説

舞台・世界観

主人公は夫との子供を望むが「おまえのような女がまともな母親になれるわけがない」と拒否されている。家出した主人公は立ち寄った居酒屋のトイレで「美術モデル募集」の張り紙を見つけ、応募する。

登場人物

夏野夏目(なつのなつめ)(35)
女性。夫とは結婚5年目。子供を望んでいるが、夫からの拒絶とモラハラに耐えかねて家出した。美術モデル募集の張り紙に応募し、茉莉也の裸婦画モデルとなる。

「私の裸に価値なんてあるんでしょうか」

壇木茉莉也(だんぼくまりや)(22)
女性。美術モデルを募集している美大生。中性的な見た目をしている。一年を通して裸婦画のデッサンに付き合ってくれるモデルを捜していた。

「体と心は密接につながっている。裸にはその人の全てが表れます。僕が興味あるのは見た目の良し悪しではなく、心が及ぼす体の変化なのです」

夏野光史郎(なつのこうしろう)(40)
男性。大手企業に勤めるビジネスマンで、職場では評判がいい。夏目の夫だが、子供が生まれることによる生活の変化を嫌い、彼女にモラハラ発言を繰り返している。

「夏目ちゃんみたいな能力低い女に、子育てなんて無理だって」

ストーリー

第1章

子供の有無を巡って夫からモラハラを受けていた夏目は家出する。知らない町の居酒屋で見つけた「美術モデル募集」の張り紙に応募して採用された夏目だったが、驚いたことに、仕事は「裸婦画モデル」だった。

第2章

抵抗があった夏目だが、茉莉也が描いてきた裸婦たちの堂々とした姿に憧れ、裸婦画モデルとしての一歩を踏み出す。茉莉也と共同生活を始め、友人関係を深めていく。しかしながら、探偵を雇った夫が押しかけてきた。

第3章

夫に離婚意思を伝えた夏目は、茉莉也の裸婦モデルを続ける。茉莉也の卒業制作が進み、彼女と過ごす時間も残り僅かとなった。夏目は正式に離婚するため夫と会う決意をする。しかしながら、夏目の子宮体癌が発覚する。

第4章

病を知った夫はあっさり離婚を了承した。夏目は茉莉也に、病を克服するまで自分の裸を描き続けてほしいと頼む。手術で子を産めない体になったが、夏目は己の裸婦画を見て自分の傷も受け容れ、笑顔で生きていく。