中村航選 プロットだけ大賞 第2回 入選 おかえり、あたし
-第2回-
結果発表
お題ログライン
入 選
「おかえり、あたし」
アベカナコ(著)
4.3★★★★★
カテゴリ モラハラ 夢 仕事 自立 小説
舞台・世界観
モナミはミュージカル俳優になる夢を妊娠で諦め、スーパーの店長の夫と結婚した。流産後はスーパーで働きつつ主婦をしているが、義母からは孫ばかりをせっつかれ、つまらない人間になった自身に失望している。
登場人物 上杉(結婚後は河田)モナミ(28)
女性。予定外の妊娠で、ミュージカル俳優になる夢を諦め、主婦になり夫が店長のスーパーで働いていたが流産してしまう。その後夫や義母に次の妊娠を急かされるが不妊に悩む。
河田耕平(32)
男性。スーパーの店長。のびのびとしていた昔のモナミに惚れていたが、ミュージカルの俳優になる夢には嫉妬していた。モナミの妊娠をきっかけに結婚する。
河田信代(65)
女性。元店主だった夫を亡くしたモナミの義理の母。河田家の実家でモナミと同居している。モナミの流産に失望し、とにかく跡継ぎの男の孫が欲しいと思っている。
ストーリー
28歳のモナミはミュージカル俳優を目指し特訓を重ねている。念願の役を手にして張り切っていたある日、体調不良で倒れる。気付くと病院で恋人の河田耕平に手を握られていた。驚いた事に妊娠していると言う。
幸せにするからと説得されたモナミは役を降りて結婚。耕平の実家で義母と3人で暮らし、スーパーでも働き始める。ある日流産をしてしまい失意のモナミに再び妊娠を迫る義母。驚いたことに耕平も義母に加担する。
スーパーで働き、家では率先して家事をしても感謝もされず、家族だからと賃金も貰えず、ひたすら孫の催促をされるモナミ。しかしながら店内にミュージカルの音楽が流れるのを耳にして無意識に外に走り出していた。
夜の公園に辿りついたモナミは先程の曲を歌い出すと、音が聞こえ始める。路上生活者が鍋を箸で叩いていた。他の人々も加勢する。歌いながら踊り終えたモナミは拍手喝采に包まれ「おかえり、あたし」と嬉し涙を流す。