今年こそはという気になる! 公募に効く魔法の言葉1
読者による読者のための「胸を打った名言」「私の入賞宣言」
あれはあれで必要な過去
ベッキー
『ベッキーの心のとびら』(幻冬舎)にある言葉です。後悔していることも、必要な過去と思えば、心が楽になる気がしました。短い言葉ですが、なぜか胸を打たれ、励まされました。北海道 ペン太(33歳・家事手伝い)
【編集部】なるほど、ふむ、鋭いぞ、ベッキー!
賭けてから言いなさい
真島太一
漫画『ちはやふる』(末次由紀著)に出てくるセリフです。密かに思っている綾瀬千早にかるたをやろうと薦められる真島太一。だが、努力型で器用で真面目な太一でも、かるたで名人を目指す天才の綿谷新が相手では「青春すべて賭けたって勝てない」とつぶやく。そのとき、かるたの先生が言ったのが『賭けてから言いなさい』です。やってみなければ分からない、まず打ち込んでみろというこの言葉は、世の中のほとんどの人は天才ではない、必死にやることこそが尊いという意味に思え、私の心に響きました。
(北海道50歳・主婦)
【編集部】やりもしないで、やっても無理、無意味と言う人、多いですね。言い訳する前に、まずは「練る、書く、出す」ってサロンパスのCMみたい。
なんでとかは考えない
宇多田ヒカル
ひょっとすると、多くの成功者たちは案外なりゆきでやっているうちに成功したというケースが少なくないのではないでしょうか。
(兵庫県39歳・家事手伝い)
【編集部】すべて行き当たりばったりということもないと思いますが、熟考しすぎた結果、悪い意味で冷静になってしまい、可能性が低いように思えてしまう、モチベーションが下がってしまうということはありますね。
努力できることが才能である
松井昌雄
石川県が生んだ野球のスーパースター、松井秀喜選手のお父さんの言葉。親の七光ならぬ子どもの七光で、ときどきテレビで歌を歌っているが、この言葉だけは、いいこと言うなあと思いました。
(石川県47歳・主婦)
【編集部】松井秀喜選手の座右の銘だそうですが、お父さんが先に言ったんでしょうかね。いずれにしても含蓄のある言葉です。
直そう直そうと頑張っても直せないもの、それが個性
光浦靖子
文章の始め方、言葉の合わせ方、テンを打つタイミングなど、作品は作り手の個性の塊です。もちろん、正しい文法で相手に伝わるようにというのは重要なことです。しかし、悪いところばかりに目を向けて、それを直そう直そうと力みすぎるのではなく、それもひっくるめて私の作品だ、と開き直ることも、時には必要なのではないでしょうか。(愛知県25歳・会社員)
【編集部】個性というか癖のようなものは直りにくいですね。基礎トレーニングほど個性が入り込む余地はないものですが、たとえば「走る」という単純な動作でもフォームは千差万別。文章や小説にもそういうところがありますね。
考えるな、感じるんだ
ブルース・リー
映画『燃えよドラゴン』の中でのブルース・リーのセリフです。武道では五感を超えた第六感をとぎすますことが重要なのだと思いますが、これは創作にも通じることだと思います。
公募マニアの私としては、作品に関してはもちろん頭を使って考えるのですが、考えすぎてもダメであり、瞬間的にパッとひらめいたもののほうがいいこともあります。(北海道47歳・会社員)
【編集部】字幕では「考えるな、感じろ」だった気もしますが、細かいことはいいでしょう。音声は「Don’t Think. Feel!」と言っていますね。で、記憶が定かではありませんが、そのあと、「それは月を指差すようなものだから、指先を見てしまうと(考えると)、全体を見失うぞ」とかなんとか言った気がします。そういう意味では直感は必要ですね。
自分に対して真心を尽くすというのは、自分に厳しく、残酷に挑むことだ。
岡本太郎
『自分の中に毒を持て』の中にある言葉です。この言葉に出会い、ほっぺたをひっぱたかれた思いがしました。きびしいところに身をおいて勝負したほうが充実感を得られると分かっていても、どうしても楽なほうに身を寄せてしまう。そんなときにこの言葉を思い出して、自分の心を奮い立たせています。(東京都33歳・会社員)
【編集部】そう、努力というのは自分をいじめ抜くことかもしれませんね。
人間は行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る。
トーマス・ギロビッチ
ネーミング公募でボツ! でもそれは力不足、あるいは運がないということで納得はできる。しかし、結果発表を見て、「あ、それ、俺も思いついていたのになあ。出せばよかった。そしたら俺が受賞者だったかも」なんて後悔してしまう。これは悔みきれない!(大阪府28歳・会社員)
【編集部】大和証券のCMでやっていました。「行動非行動の研究」ですね。
人間、志を立てるのに遅すぎるということはない
スタンリー・ボールドウィン
今年還暦を迎えます。今さらという気にもなりますが、実現する、しないはともかく、志は持っていたい。(宮崎県59歳・自営業)
【編集部】「今さら」ではなく「今だから」かもしれません。
なんだ、みんな同じことを言ってやがる。
太宰治
『もの思う葦』の中にあるアフォリズムです。タイトルは「ふと思う」。どういうシチュエーションでそう思ったかは分かりません。誰かの論争のことか、自作への批評のことか。でも、確かにみんな同じことを言っているような……。(滋賀県44歳・塾講師)
【編集部】あるいは、小説のテーマのことを言っているのかも。違うかな。
※本記事は「公募ガイド2012年2月号」の記事を再掲載したものです。