文芸公募ニュース 4.26更新 文芸トレンド
夏は地方文芸まっさかり!
多くの公募が春以降に予算が決まり、それから募集開始となります。その結果、長編小説は秋から翌年の年度末に締め切られますが、短編小説の場合は夏に締め切るものも多いですね。
ざっと挙げてみましょうか。
神奈川文芸賞 締切 2024年6月30日
さきがけ文学賞 締切 2024年6月30日
さばえ近松文学賞 締切 2024年6月30日
ふるさと秋田文学賞 締切 2024年7月31日
深大寺恋物語募集 締切 2024年7月31日
長塚節文学賞 締切 2024年8月30日
北日本文学賞 締切 2024年8月31日
埼玉文学賞 締切 2024年8月31日
いやあ、かたまってます。地方文芸だんご状態。応募される皆さんは、6~8月はベストセラー作家並みの締切ラッシュです。
宗田理さん逝去
2024年4月8日、作家の宗田理さんがお亡くなりになりました。宗田さんは編集者などを経て、1979年、「未知海域」が直木賞の候補となって作家デビュー。50代のデビューは、今は珍しくありませんが、当時は遅咲きと言われました。その後、「ぼくらの七日間戦争」シリーズがヒットしたことはつとに有名。公募ガイドにも1990年あたりに「現代作家写真館」に出てもらいました。95歳の大往生。ご冥福をお祈り致します。
ジョン・バースさん逝去
宗田さんのことを調べていたら、アメリカの作家、ジョン・バースも亡くなったという記事を目にしました。亡くなったのは4月2日、93歳だったそうです。
ジョン・バースはポストモダンと言われるジャンルの作家で、「酔いどれ草の仲買人」が有名ですが、個人的には白水Uブックスに入っていた『旅路の果て』が好きでした。ご冥福をお祈り致します。
40年を経て、『百年の孤独』が文庫に!
1982年にノーベル文学賞を受賞したガルシア=マルケスの『百年の孤独』が、40年の時を経て文庫化されるそうです(6月26日発売、新潮社刊・1375円)。
1980年代に大ブームとなるラテン文学の嚆矢で、中上健次は『百年の孤独』にインスパイアされて『千年の愉楽』を書いたのでした。
ガルシア=マルケスには、本人と若い脚本家10人とでテレビドラマのプロットを作り込んでいく様子をまとめた『物語の作り方 ガルシア=マルケスのシナリオ教室』(岩波書店)もあり、こちらも併せてお読みいただくと大いに学びがあるかと思います。