あなたとよむ短歌 vol.51 テーマ詠「デート」結果発表 ~短歌の続けかた~(2/3)
それでは、佳作のご紹介です!
助手席で聴く音楽はこれじゃない奈良美智の絵になるわたし
(山本里枝さん)
ドライブデートでなければ判明しなかった違和感。奈良美智さん作品の、あの少女ような表情でずっとドライブしていたと想像すると、思わず笑ってしまいます。
サッカー部と吹奏楽部のTシャツで並んで歩く夏の速さで
(はっちさん)
部活のユニフォームや発表会用のTシャツは、青春のシンボルのようです。あえて景色を描写しないことで、二人の姿だけが輝いているような印象を受けます。
数年を隔てて友と再会す二人はなんて呼んでいたっけ
(貴田雄介さん)
大人になってから学生の頃のあだ名で呼ぶと気恥ずかしい場合もありますよね。新しい呼び名を探すところから始める、懐かしくも新しい関係性です。
あなたとは頼む料理が違うから未来も倍になる予感して
(真朱さん)
外食の様子。自分では頼まないようなメニューを頼む相手といくと、見たこともない料理が同じテーブルに並びます。「未来も倍になる」という表現がすてきです。
アイシャドウスカートは青バッグには透明ポーチ中にアクスタ
(植田二十七さん)
メンカラ(その人やキャラの色)が青の「推し」のアクスタとデートをしている様子。現代のデート相手は、三次元の人間だけに限りません。