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あなたとよむ短歌 vol.51【お悩み回答】~短歌の続けかた~(3/3)

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今回は、いただいたご質問に回答していきたいと思います。



比喩や雰囲気のあるきれいな短歌は受けが良いなと思います。
そういう歌は私も好きだし、作ったりもしますが、日常の中のなんでもないことを拾って歌いたい気持ちが強いです。でも、作りやすいのはきれいな歌だったりもします。
柴田さんは自分の歌の方向性を決められていたりしますか?

短歌を詠んで、投稿したり、SNSに発表したりするうちに「こういう短歌は受けがいいな」という傾向を感じるケースがあると思います。SNSで「いいね」などが多くつくのは、分かりやすい詩情にあふれている「エモい」作品や、共感を呼ぶ「あるあるネタ」をうまく取り入れたものが多いかもしれません。それは多数の人の目に触れる「SNSの特性」だとも言えます。
結局は「何を目的に短歌を詠みたいか」ではないかと考えます。いいね数を増やすことや、フォロワー数を増やすことも、決して間違っているとは思いません。短歌を詠み、発表する第一目的が「SNSの特性に合わせること」という人がいても、ダメなわけではないと思います。
ただ、もしそうでなければ、目的にそぐわないことを続けていくのはむなしく、すぐ飽きてしまうものです。「日常のなんでもないことを拾って歌いたい」という気持ちがあるなら、ぜひそれを実行してみてほしいです。
一方、せっかくコンテストに応募したり、SNSで発表しているのに、あまりに評価されないと気持ちもくじけますよね。日常の一コマを詠んだ歌でも「名歌」とされるものはたくさんあります。
自分の読みたいものはそのまま、スタイルもそのまま、実験的に表現の幅を増やしてみてはいかがでしょうか。 たとえば倒置法にしてみたり、あえて俗っぽい言葉を入れてみたり、匂いや触覚に注目してみたり……。 とにかく、個人的には基本的に「自分が詠みたいものを詠む」方向性がいいと思います。 私自身は「歌の方向性」は具体的に持っていませんが、ただ、「私自身が自分の作品を好きであること=好きになれない作品はボツ」という点だけは意識しています。




情報量が多いと感じた時の推敲のコツはありますか?

短歌の31音というのは絶妙な長さで、結構いろいろな内容が書けてしまいます。歌集などで短歌をたくさん読んだり、自分でも詠んだりしていくと、言葉を整理して詰めこむのがうまくなり、情報量が多すぎる短歌を詠みがちになる人もいるようです。
まず「情報量が多いな」と自分で気づける点がすごいと思います。ナイスです。
そういうときは、思い切って半分か3つかに分けてしまうのをお勧めします。 どこかの文節でスパッと切ってそれぞれを独立した短歌にし、1首から2、3首にしてしまいます。意外と荒っぽく、思いっきり切ってしまって大丈夫です。別々の短歌から切り取ったもの同士を組み合わせて1首になることもあります。取り合わせの妙から新たな表現が生まれる場合もありますよ。



作品や質問のご投稿ありがとうございました。引き続き、テーマ詠「動物園・水族館」を募集しています。 テーマ詠は、お題の単語を短歌のなかに入れても入れなくてもOKです。そのテーマにあった短歌をお待ちしています。 どこかに応募した作品も、未発表も作品もぜひご投稿ください。(著作権がご自身にある作品に限ります)

 
応募要項
応募規定 短歌(57577)を募集します。
テーマは「動物園・水族館」
応募点数制限なし。
応募フォームに柴田さんへの質問欄を設けています。短歌のことや、作品づくりについて選者:柴田葵さんに質問があればご自由にお書きください。匿名で質問内容とその回答を記事に掲載させていただく場合があります。必ずしも回答があるわけではございませんので、ご了承ください。
応募方法 応募フォームもしくはTwitterでご応募ください。Twitterの場合は公募ガイド公式アカウント「@kouboguide」をフォローして、ハッシュタグ「#あなたとよむ短歌動物園・水族館」をつけてツイートしてください。
※応募者には、弊社から公募やイベントに関する情報をお知らせする場合があります。
最優秀賞1点=Amazonギフト券3000円分
優秀賞2点=Amazonギフト券1000円分
佳作数点=ウェブ掲載

※該当作品なしの場合があります。
※作品を記事内で推敲する場合があります。
※発送は発表月末~翌月頭を予定しております。
締切 2024年6月30日
発表 2024年8月1日