"やれ紙"が宝物に変身!富山ADCが仕掛けた循環デザインの妙技
デザインスタジオROLEが手がけた富山アートディレクターズクラブ(ADC)2024の年鑑とトロフィーが、サステナブルデザインの新たな可能性を提示した。「循環デザインの楽しみ方」をテーマに、通常は廃棄される印刷テスト用紙「やれ紙」と不要になったトロフィーを創造的に再生している。
年鑑は18名の県内デザイナーと印刷工業組合の協力で集められた「やれ紙」を表紙に活用。約80種類の異なる表紙デザインが生まれ、500部がランダムに配布・販売された。これは同社が2023年に高岡市と共同で実施した古紙再生プロジェクトの発展形となる。
トロフィーは、各家庭に眠る数十年前のカラオケ大会やそろばん大会などの賞品を集め、高岡市の伝統産業工房「高和製作所」の技術で特殊な砂でコーティング。かつてのメタリックな輝きを控えめに抑え、新しい表情を引き出すことに成功した。
ROLEのデザイナー羽田純氏は、この取り組みについて「生産効率だけを考えると他の方法もあるかもしれない」としながらも、環境負荷の観点や「伝わる循環活動」として、デザインの可能性を追求する余地があると指摘する。
富山市市民プラザで開催された授賞式では、展示キャプションにも余剰の「やれ紙」を活用するなど、展覧会全体を通して環境への配慮が表現された。この試みは、優れたデザインの展示と社会的意義の両立を実現した新しいアプローチとして注目を集めている。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000046661.html