『森に帰らなかったカラス』で魅せる奇跡の実話 - 負傷ヒナと少年の心温まる物語、ロンドン動物園の伝説的飼育員の少年時代が本に
イギリスの人気児童文学作家ジーン・ウィリスが、ロンドン動物園の元主任飼育員ミック・カーマン氏の実体験を基に描いた新作『森に帰らなかったカラス』が、徳間書店から発売される。
1957年のロンドン郊外を舞台に、11歳の少年ミックが怪我をしたニシコクマルガラスのヒナを保護し、やがて地域の人気者になっていく心温まるストーリー。物語の背景には、第二次世界大戦で大切な人を失った大人たちの姿も描かれ、喪失と希望というテーマも織り込まれている。
実話の主人公カーマン氏は、作者の近所に住んでいた縁でこの物語が誕生。当時の様子を伝える新聞記事や、カラスが電車に乗って移動した際の記録なども残されており、物語の舞台となった駅や建物は現在も実在する。
300作品以上を手がけるベテラン作家ウィリスは、近年『くまのプーさんといっしょ』など話題作を執筆。本作でも、動物と人間の心の触れ合いを丁寧に描き出している。
B6判304ページ、定価1,760円(税込)で10月25日に発売。