小学館と日本児童教育振興財団は、第73回小学館児童出版文化賞の贈呈式を11月14日、都内で開催した。今年度は最上一平氏の『じゅげむの夏』（佼成出版社）とザ・キャビンカンパニーの『ゆうやけにとけていく』（小学館）の2作品が選出され、正賞のブロンズ像「わかば」と副賞100万円が贈られた。

『じゅげむの夏』は、小学4年生4人の夏休みの小さな冒険を描いた物語。受賞の喜びを語った最上氏は、自身の小学4年生時代の夏休みを振り返り、「山形の山奥にあるいとこの家で過ごした日々と、なくした日記帳を夏休み最後の夜に一気に書き上げた」思い出を語った。

一方の『ゆうやけにとけていく』は、これまでの「足し算」的な作風から一転、余白と余韻を大切にした「引き算」の表現に挑戦した作品だという。ザ・キャビンカンパニーは「夕暮れ時の持つ美しさと幻想性、そして時に感じる強い悲哀を描きたかった」とコメントしている。

小学館児童出版文化賞は、幼年から少年少女向けの優れた作品と作家を顕彰する賞として知られる。今回の審査は荒井良二氏、鈴木のりたけ氏、舘野鴻氏、富安陽子氏、森絵都氏の5名が務めた。

出典：https://sho.jp/cpc_award