五木寛之が贈る「昭和の記憶」!46人の著名人との忘れられない瞬間を綴った珠玉のエッセイ集が登場


戦中世代の作家・五木寛之氏が、昭和の時代を彩った46人の著名人との出会いを鮮やかに描いたエッセイ集『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』が、2025年1月23日に新潮選書から刊行される。本書は、昭和100年、戦後80年という節目の年に合わせて企画されたもので、すでに鬼籍に入った人々との交流を通じて「昭和のこころ」を浮かび上がらせる。
五木氏は1932年生まれ。戦中・戦後の激動の時代を生き抜き、数々の文学賞を受賞してきた日本を代表する作家だ。本書では、寺山修司、小林秀雄、八千草薫、秋山庄太郎、瀬戸内寂聴、藤子不二雄Aなど、各界の著名人との一期一会の出会いが綴られている。それぞれの人物との短い交流の中で交わされた言葉や、その瞬間の空気感が、まるで短編小説のような筆致で描かれており、読者を深いノスタルジーへと誘う。
例えば、寺山修司との出会いでは「ぼくはあなたよりも、あなたが読んでいる本に興味があるんです」という言葉が紹介され、その独特の魅力が浮き彫りにされる。また、小林秀雄の「人間は生まれた時から、死へ向かってとぼとぼ歩いていくような存在です」という言葉からは、人生哲学の深さが感じられる。
五木氏は本書について「一時の出会いのなかで、ふと、ぽつんともらした一言に、その人物の真実があざやかに反映することもある」と語り、個人との生き身の接触を通じて得られた瞬間の記憶の重要性を強調している。この視点は、現代のSNS全盛時代において、人と人との直接的な交流の価値を再認識させる。
本書は単なる回顧録ではない。それぞれのエピソードを通じて、昭和という時代の空気感や、そこに生きた人々の思いが鮮やかに蘇る。また、五木氏の洞察力豊かな筆致により、各人物の個性や魅力が立体的に描き出されている。
『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』は、昭和の記憶を持つ人々にとっては懐かしさを呼び起こす一冊となるだろう。同時に、若い世代にとっては、日本の文化や思想の源流を知る貴重な機会となるはずだ。五木寛之が紡ぎ出す46編の珠玉のエッセイは、読者を昭和という熱い時代へと誘い、人生の機微や言葉の力を再認識させてくれるに違いない。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001829.000047877.html