歴代受賞者　創元SF短編賞

2025/01/22

タグ: 作文・エッセイ

創元SF短編賞　歴代受賞者

つくログ

如月
2025/02/22 16:16
アニメ、ベルサイユのばら🌹をオススメした方から、ハマってしまいましたと返信が来ました。気に入ってくださったという感想に、めちゃくちゃ嬉しいです。あのアニメは、子供向けではないですね（笑）その方には、原作漫画をオススメしました。アニメも原作漫画とは、少し違っています。　さらにハマってしまわれたならと、映画のベルサイユのばらをご覧になり、比較されるのも面白いと伝えました。作者の池田理代子先生は、学生時代のツヴァイク作「マリー・アントワネット」の課題図書を読んで、いつかフランス革命を描きたいと思われて、フランス革命へと導いたルソーの思想を勉強されて、🌹ベルサイユのばら🌹を完成されました。世間では、マリー・アントワネットは悪女扱いですが、実は、取り巻きたちの影響が強く、悪女に祭り上げられたのではないか？との見方もあるそうです。フランス革命自体、女や子供、他民族にとってよりも、白人に有利だっという説もあります。歴史は、勝った方の歴史とも言われますね。
佐馬鷹
2025/02/22 12:26
#第40回どうぞ落選供養もう一作。演技という要素が弱かったのかなあ。　　　筆姫と声の貴公子　　　　　　　　　　　　　　　佐馬鷹　マーゴは今日も心の中で自分に言い聞かせる。気にしない。気にしないんだから、と。　セレニア国、八脚馬宮殿の一室。まだ十六歳だが、彼女は文官の一人である。彼女の机には、インク壺と羽筆、羊皮紙の束。　大人の、男の文官が別の紙束を持って来て、彼女に手渡す。お互い、無言だ。口頭での補足説明など極力しないでほしい、と前々から頼んである。返事しなければならなくなると困るのだ。　マーゴは喉に異常がある。ほかの人と同じようには、声は出ない。それは、風邪などで喉が荒れた時などの比ではない。彼女の声は濁音にまみれ、かすれにかすれて、どうしても聞き心地が悪くなる。マーゴも、できるだけきれいに発声しようと意識したのだが。　その心がけも、とうの昔にあきらめた。意識すればするほど、話すべき内容が長ければ長いほど、そして聞き手が多ければ多いほど、マーゴの声は乱れる。幼少期から、それで何度泣いたことか。嘲笑はもちろん、憐れみにも傷ついた。時には「ふざけているのかっ」と無理解な叱責を受けた事も。　結果としてマーゴは無口になった。他者との接触をひたすら避けて日々を過ごしている。　とは言え、ずっと家に閉じこもっているわけにもいかない。親は小貴族にすぎず、彼女を養い続けるような資産は無いのだ。自分でも収入を得なければ。　代わりと言うか、彼女には好条件が二つある。一つは、彼女の家が城下町の郊外にあり、宮殿に近い事。もう一つは、彼女が達筆である事。　マーゴが書いた字の美しさは、宰相も女王も認めるところである。父親の売り込みもあって、宮殿での様々な書類の清書に抜擢されるようになった。要人宛ての書簡、国政のための記録、法令など。　マーゴは頻繁に宮殿に呼ばれるようになった。大抵は郊外の家から通うが、泊まり込みも少なくない。　宮殿に居る間、マーゴは口を閉ざしている。宮殿詰めの者たちも女王や宰相から言い含められているので、緊急でない限り、返答を求めない。彼女と世間話もしない。　マーゴは机で黙々と清書をこなす。食事を出された時は、食堂の隅で。食堂の中央に陣取る事も、同僚と食事する事も無い。　時には、元となる書類が上がってなかったり、羊皮紙などが足りなかったりして、少々待たされる事もある。そんな時は書物を読んで過ごす。女王が閲覧を許可してくれた書物。国の財産であり、貴重だ。彼女は黙って感謝している。　ルッシャは、出そうになったつぶやきをのみ込んだ。気にしないもんね。気にしてないもんねーだ。　年頃の娘に振られるのは、これで何度めだろう。もう数えるのも嫌だ。城下町の芝居小屋の壁にもたれて、ルッシャは空を見上げた。　小貴族の息子で十六。本来なら将来を見据えるべき時期なのだが、彼にその自覚は無い。騎士の命がけも、坊主の女っ気の無さも、まっぴらごめん。役者になりたい、と城下町の芝居小屋に入りびたり、追い出されては別の小屋へと渡り歩く。　芝居小屋の主人や役者たちとしても、彼がただ鬱陶しいというわけではない。ルッシャ少年は声変わりを済ませても、伸びやかな美声を保っている。彼に歌などで加勢してもらえると、舞台が華やぎ、客が喜ぶのだ。それで芝居の評判が上がれば、小屋のもうけも増える。　しかし。どう見ても美少年とは言えない。目は小さく窪み、顎が張って、岩石に例えたくなる顔である。本人がいかに舞台に上がりたがっても、稽古でなければ上げるわけにはいかない。　とは言え、下級でも貴族の血筋なので、平民である興行主たちとしては、ルッシャを邪険に扱えない。丁重にお引き取り願うのに、いつも苦労している。　ルッシャの方でも、興行主たちに無理強いはできない。親にそれほどの権力は無いのだから。　そしてルッシャは、その親とも反りが合わない。こちらは、興行主たちと違って、遠慮なしに彼を責める。　それでもルッシャは親に頼らざるを得ない。芝居小屋をはしごすると、すぐに金欠になるからだ。　夕刻、マーゴが食堂で食事をしていると、卓の端から、もぐらのように手のひらが出てきた。それが小声で彼女に話しかける。「筆姫様、筆姫様。ちょっとお願いがあるんだけど」　マーゴは普段持ち歩いている羊皮紙の切れ端を、その手のひらにつかませた。「しゃべらせないで」と書かれている。　手のひらは羊皮紙を数秒ほど保持していたが、すぐに腕を伸ばして持ち主に返却した。「分かってるよお。だから指で卓をトントンしてくれれば、それで返事ととるから」　って前にも言ったろ、の部分は遠慮して、さらに声を低めた。　マーゴはため息をつき、あきらめて声を出すことにした。たびたび筆談では、いくら宮殿でも羊皮紙が勿体無い。「づまらないごどてだいびづさぜないて。わだしをまぎごまないて」「そう言うなよ。お願いだから、見捨てないで。君の字だけが頼りなんだからさ」　ルッシャは、ようやく卓の端から頭を出した。もぐららしく叩いてやろうか、とマーゴは一瞬、思う。が、その前にルッシャは両腕も卓の上に伸ばして、手を合わせてマーゴを拝んだ。　マーゴは無視して食事を続けた。もう、これで何度めだろう。親に金の無心をする手紙を代筆してくれだなんて、馬鹿々々しい。　反省させる意味も込めて、マーゴはルッシャをしばらく放置した。（了）
佐馬鷹
2025/02/22 12:14
#第40回どうぞ落選供養すみません。落選供養のルールをいまいち理解できていないかもしれません。それでも、何とか皆さんの見よう見まねで投稿してみます。　　　シャーリーン嬢の演技の結末　　　　　　　　　　　　　　　佐馬鷹「私、出産したかも」　祭りの翌日に再会してみると、シャーリーンが、そう、のたまうのだ。昨日まで彼女のお腹は膨らんでいなかったのに。それどころか今まで一度も、そんな事は無い。　私は親友として確認を試みた。「だとしたら、赤ちゃんは」　シャーリーンは、ばつの悪そうに外套の前を開けて見せた。布製の人形を脇に挟むように抱えている。本物の赤ちゃんだったら、きっと痛がるだろうに。「とりあえず座って、じっくり聞こうか」　私は女中仕事を中断して、彼女を食堂に誘導した。食事時ではない、がらんどうの食堂へ。　昨夜は諸聖人をまとめて祝う祭りで、城下町は賑やかだった。そこでは当然、うら若き男女のやり取りが幾つもあり、結婚の予行演習となる事も、ならずに不和として終わる事もあっただろう。　私もシャーリーンも小貴族の娘である。普段はモーボン宮殿に上がって、女中として働きながら、良縁探しに励んでいる。良縁、つまりは格上の貴族の男との縁組。そんな男と親密になるには、昨夜のような祭りが一番、手っ取り早い。　以前からシャーリーンが目をつけていたのは、中流貴族プルースワン家の三男坊だ。宮殿ですれ違う度に、彼女から何かと話しかけたが、相手の反応は今一つだったらしい。　それも、そのはず。件の三男坊も、親族から常々言われているに違いないのだ。さらに上級の貴族の娘をつかまえるように、と。だから彼がシャーリーンを憎からず思ってくれたとしても、小貴族キルマ家の娘では、まず彼の親たちが首を縦に振らない。　ならば、とシャーリーンは祭りに賭けた。　当日の城下町の通りは老若男女、あらゆる人々でごった返した。その流れに逆らうように、彼女は歩き回ったのである。プルースワン家の三男坊を目で追いながら、付かず離れず。時おり、ちょっかいをかけてくる男どもを追っ払ったりして。　尾行中、シャーリーンは祈るまでした。主なる神や聖母にはもちろん、諸聖人がたにも。私を加勢してください、あの人に私以外の女を近づけないでください、と。　せっかくの祝祭が、彼女には何とも忙しい日になった。　その甲斐あって、彼女の祈りは神に届いたようだ。喧噪の中、プルースワン家の三男坊が独りになったのである。彼の女性漁りは全く実を結ばず、お供の者たちもそれに呆れたのか、いなくなった。人混みではぐれた、などと後で言い訳するのだろう。いずれにせよ千載一遇。シャーリーンが待ちに待った状況である。　彼女は、すかさず駆け寄って、彼に声をかけた。そして二人して、ぶらぶらとお祭り見物をしてから、宿屋を兼ねた酒場に入り、語り合った。おそらく三男坊が「女性から相手にされない」とか愚痴って、シャーリーンが「あら、私がいるじゃない」とか返したのだろう。その流れか、とにかく二人は酒場の寝室に移動した。　実は私も彼女も未経験だったりする。それでも彼女なりに覚悟を決めて、彼を誘ったそうだ。　しかし意外なことに彼は、なかなか彼女に手を出そうとしなかった。つまり、それぐらい親の締めつけが厳しいってこと。シャーリーンの話を聞きながら私は、そう推測した。　結論として、シャーリーンは決死の朝帰りを敢行したものの、彼女の精一杯の不道徳は、意中の男との添い寝だけにとどまった。というのも、プルースワン家の三男坊は、女性漁りからシャーリーンとの語らいまで始終、酒に頼りっぱなしで呑み過ぎていたのである。　話はそのまま、シャーリーンの努力むなしく、で終わるはずだった。　しかし、その前に一悶着が起きた。一度は三男坊を見捨てたはずの従者たちが、主人からの叱責を恐れてか、なんとかシャーリーンたちの宿を突き止めて、三男坊の引取に現れたのである。シャーリーンと三男坊は寝床で並んだまま体を起こし、従者たちと対面する形になった。　寝室の時間が止まる。シャーリーンも三男坊も、そして彼の従者たちも言葉を失くした。しかしシャーリーンの脳内では、凄まじい回転が起きていた。「で、言っちゃったわけね。出産した、と」　私が確認すると、シャーリーンは布の赤ちゃん片手に頷く。「しかし、なんで言い間違うかね、妊娠も通り越して、出産だなんて」「だって仕方ないじゃない。うちでは、クララック家の出産祝いにどんな贈り物がいいか、お祭りの直前まで家族全員で騒いでたんだから」「まあ、たしかに、あそこも気を使わなければならない相手だけど。それが頭に残っていて、ここぞって時に出てしまったか」　多分、とシャーリーンの答えは小さくなった。私は、ため息で返した。　普通なら、彼と寝た、契った、きっと妊娠したと思う、などと既成事実を突きつけて相手を脅すところなのに。事実は得られず、言い間違えて沈没。プルースワン家の従者たちが吹き出したわけである。　その後、悔しかったのか、彼女は愚痴るために私のところに直行して、今に至る。　それにしてもシャーリーンったら。私のところに来る前に、わざわざ偽の赤ちゃんを用意したのかしら。　気になるところだが、そこは追及せずに、とりあえず友が愚痴を吐き尽くすまで付き合ってやろう。私は、そう決意した。（了）
佐馬鷹
2025/02/22 11:35
第39回落選供養作品、みぞれさん作「だって眠れないんだもん！」を拝読。納得。編集部さんの「ぜひ多くの人に読んでもらえたら」は同感です。で、思わずコメントしました。羨ましい。自分もそう言われたいものです。
蜂賀三月
2025/02/22 11:23
#週5公募チャレンジこんにちは！　今日、こちらでは雪が積もっています。猫の日なのに…！(関係ない) 今日挑戦したのはこちらの公募。 2025年宇宙エンタメコンテスト https://koubo.jp/contest/259564 応募したのは宇宙川柳の部門です。常設公募って「いつでも応募できるし～」と後回しになりがちなんですよね。いつまでも応募できないのもあれなので今日は思い切って挑戦しました(笑) この公募は月間優秀賞でも賞金が1万円もあるので、けっこうおいしいと思います。賞金目当ての方にもおすすめの公募です🌙笑