新宿・歌舞伎町の中心地に位置するアートスペース「デカメロン」が、2025年3月から新たな展開を迎える。注目すべきは、アーティストの磯村暖氏がディレクターに就任することだ。この動きは、歌舞伎町の文化的な可能性を大きく広げる試みとして注目を集めている。

磯村氏は、「人間」という固定観念にとらわれない、境界を超越したクィアなスペースづくりを目指す。その vision は、歌舞伎町の独自性を活かしつつ、従来の芸術の枠を超えた展示の企画・プロデュースとして具現化される。

さらに興味深いのは、1階のバースペースの新たな運営方式だ。ここでは、ドラァグクイーンを含む新時代の「ギャル」たちが来客をもてなす。この斬新な試みを担当するのは、磯村氏の旧知の仲である「ぱにぱにぱにぱにともちんぱ」だ。多様性と創造性に満ちた体験を提供することで、従来のアートスペースの概念を覆す可能性を秘めている。

「デカメロン」は2020年の開廊以来、実験的な現代アート展を開催し続けてきた。その名は、14世紀のペストの様子を描いたボッカッチョの物語集に由来する。2階の展示スペースと1階のバーが融合した独特の空間構成は、アーティストと観覧客の交流を促進する場として機能してきた。

磯村氏は、絵画、彫刻、映像など多岐にわたる表現方法を駆使する美術家として知られる。現代社会への洞察力とSF的想像力、ユーモアと深刻さが交錯する作品群で、国内外で高い評価を得ている。一方、「ぱにぱにぱにぱにともちんぱ」は、企業会議への潜入や劇団運営など、独自のアプローチでギャル文化を発信し続けている。

「デカメロン」の新たな挑戦は、アートと都市文化の融合、そして多様性の受容という現代社会のニーズに応える先進的な試みだ。歌舞伎町の文化的景観に新たな彩りを添えるこの変革は、アート愛好家のみならず、都市文化に関心を持つ多くの人々の注目を集めることだろう。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000042926.html