写真の魅力を再発見!東京都写真美術館が30周年記念で贈る「不易流行」展


東京都写真美術館が総合開館30周年を記念して、特別展「TOPコレクション 不易流行」を開催する。2025年4月5日から6月22日まで行われるこの展覧会は、写真と映像の魅力を多角的に紹介する意欲的な企画だ。
本展の最大の特徴は、5人の学芸員によるオムニバス形式の構成にある。「写された女性たち」「寄り添う」「移動の時代」「写真からきこえる音」「うつろい 昭和から平成へ」という5つのテーマを通じて、19世紀から現代までの写真・映像作品約220点が展示される。
注目すべきは、赤瀬川原平の〈版画集 トマソン黙示録〉の初展示だ。80年代に町の片隅にある無意味な造形物を「トマソン」と名付けた赤瀬川の独特な視点が垣間見える作品群となっている。
また、本展では新たな試みとして、「手話を交えたQ&Aショー」というインクルーシブプログラムを実施。耳の聞こえない鑑賞案内人が学芸員に質問するという形式で、多様な背景を持つ人々が作品との出会いを楽しめる機会を提供する。
さらに、「連続対談 過去と未来をつなぐ」と題したイベントも開催。写真・映像の研究者や教育者を招き、コレクションの歴史と未来について議論を深める場となる。
「不易流行」というタイトルは、松尾芭蕉の言葉に由来する。変わらないものを知り、同時に新しい風を起こすという精神は、まさに本展の姿勢そのものを表している。過去の表現を深く理解しつつ、現代の潮流にも目を向けるという姿勢は、写真・映像というメディアの本質を考える上で重要な視点となるだろう。
東京都写真美術館が30年以上にわたって蓄積してきたコレクションの新たな魅力を発見できる本展。写真愛好家はもちろん、芸術に興味のある人々にとっても、見逃せない機会となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000776.000038211.html