大阪市立美術館が2025年3月に大規模リニューアルを経てオープンする予定である。その中で注目を集めているのが、新たに誕生するカフェ「ENFUSE（エンフューズ）大阪」だ。株式会社WATが手掛けるこのカフェは、単なる休憩所ではなく、美術館と有機的に連携した「もう一つの文化体験の場」を目指している。

ENFUSEの特徴は、美術館が持つ歴史的価値と建築美を活かしながら、現代的なデザイン要素を織り交ぜた空間設計にある。天王寺公園内に位置する立地を活かし、日本庭園「慶沢園」を望む開放的なテラス席も用意される予定である。これにより、美術館利用者だけでなく、公園を訪れる人々も気軽に立ち寄れる場所となる。

メニュー面でも工夫が凝らされている。「古今東西のおかずプレート」をシグネチャーメニューとし、大阪を「天下の台所」として捉えた食の提供を計画している。さらに、天王寺公園を楽しむためのピクニックセットや、アート作品をオマージュしたスイーツなど、様々な体験価値を創出する予定だ。

WATの代表取締役CEO石渡康嗣氏は、「コミュニケーションが生まれる拠点となるカフェを目指している」と語る。美術館の新たな魅力となるだけでなく、天王寺エリア全体の賑わい創出にも貢献することが期待されている。

ENFUSEの出店は、WATが進める公共施設内のカフェのあり方をアップデートする取り組みの最新例だ。同社はすでに東京都内の複数の公共図書館で「ampere」を、京都市京セラ美術館内では「ENFUSE京都」を運営しており、公共空間の新たな可能性を探っている。

大阪市立美術館のリニューアルと共に誕生する「ENFUSE大阪」。アートと食の融合、そして地域との繋がりを大切にしたこの新しいカフェは、大阪の新たな魅力スポットとして注目を集めそうだ。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000148439.html