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せきしろの自由律俳句 第96回「話」結果発表 (2/3)

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結果発表

 

結果発表

第 96回 課題: 話

 

 

佳作

つきまとう怪談を聞き終えた兄
 (岡山県 ののはな 12歳)

母親の説教は突如昔話と成り変わる
 (神奈川県 傘鷺うらら 15歳)

あの日の私に話がある
 (埼玉県 しらす 16歳)

くだらない話が草原を駆け抜けた
 (埼玉県 こせきり 19歳)

みんなスーツで話がちがう
 (東京都 水面叩 33歳)

細々と鯖の話だ
 (千葉県 柿田中村 35歳)

同じ話を酒で流す
 (東京都 おち葉 36歳)

オチより先に最寄駅
 (北海道 エリンギ 37歳)

雪かきの音が会話みたいだ
 (宮城県 ぬりや是々 46歳)

飲まないコーヒーで繋ぐ終電
 (千葉県 ような恵 27歳)

皿の下げられたファミレスにまだいる
 (北海道 おいしいほうじゃ 28歳)

君の長過ぎる話を聴きながら指のささくれを気にしてる
 (福島県 Kurumi@mango 33歳)

原稿用紙一文字ずつ埋めるように話す病室
 (大阪府 フルカワ 33歳)

よく聞こえないが陰口のトーン
 (岐阜県 次元 33歳)

親族と血の通っていない会話をする故郷
 (大阪府 チャーミー 35歳)

寝息を聞いて閉じる絵本
 (東京都 稲葉智子 45歳)

小声で話すほど白い息濃くなり
 (神奈川県 紺屋小町 45歳)

天ぷらを前に家康の話
 (岐阜県 場外 54歳)

知らない話題車窓にも飽きて
 (三重県 KOZO56 56歳)

この流れではウソに着地してしまう
 (千葉県 xissa 59歳)

話をとめてふくろうを聞く
 (長崎県 毎日ハッピー 45歳)

 

今月の総評

『つきまとう怪談を聞き終えた兄』
怖くなったのだろう。私もよく弟につきまとったものだ。

『母親の説教は突如昔話と成り変わる』
脱線してくれた方がこちらは楽になり、そのまま説教が収束することを願う。

あの日の私に話がある』
どの時のどの私にどの話をしようか。そんなことを考えるとあっという間に時間が過ぎる。

『くだらない話が草原を駆け抜けた』
その状況はくだらなくない俳句となった。疾走感があるのが良い。

『みんなスーツで話がちがう』
私は就職せずに、かといってなにかするわけでもなく生きてきたので、同級生に会うたびこの状況になったものだ。

『細々と鯖の話だ』
ずっと頭に残るタイプの短律の句である。どこか寂寥感がある。

『同じ話を酒で流す』
飲めば必ず同じ話が登場するもので、それは酒を進めさせるのである。

『オチより先に最寄駅』
オチのところで店員がオーダーしたものを持ってきて中断してしまうこともあるが、それは誰も悪くない。

『雪かきの音が会話みたいだ』
一定のリズムが聞こえ、やがてリズムが変化する。会話という発想はなかった。ありがとうございます。

 

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