岩手県遠野市が、国際的な観光認証団体グリーン・デスティネーションズが主催する「Top 100 ストーリーズ」において、「文化と伝統部門」で1位を獲得した。この快挙は、世界最大級の旅行博ITB Berlinで開催された「Top 100 Story Awards」で発表され、遠野市の持続可能な観光への取り組みが世界的に評価されたことを示している。

「Top 100 ストーリーズ」は、持続可能な観光に関する優良事例を表彰する国際コンペティションだ。厳しい審査を経て、世界中から100の地域が選出される。遠野市は「地域文化の再興：遠野の遺産制度と住民参加」をテーマにしたストーリーを提出し、見事トップの座を勝ち取った。

遠野市が高く評価された理由の一つが、独自の「遠野遺産認定制度」だ。この制度は、市民からの申請に基づいて地域資源を認定し、地域全体で保護と活用を推進するという画期的な取り組みである。この住民参加型のアプローチが、文化保護と観光振興の両立を目指す世界的なトレンドに合致したと言える。

今回の受賞により、遠野市は持続可能な観光のモデルケースとして、国内外からさらなる注目を集めることが予想される。日本の地方都市が、伝統文化の保護と観光振興を両立させる先進的な取り組みで世界をリードした形だ。

遠野市の成功は、地域の文化や伝統を大切にしながら、観光を通じて地域を活性化させたい他の自治体にとっても、大きな励みとなるだろう。今後、遠野市の取り組みが日本全国に波及し、持続可能な観光地づくりの機運が高まることが期待される。

なお、「Top 100 ストーリーズ 2024」の他の部門でも、世界各国の興味深い取り組みが表彰された。例えば、観光地管理部門ではスロベニアのJeruzalem、自然と景観部門ではメキシコのSan Crisantoが1位を獲得している。これらの事例も、持続可能な観光の実現に向けたヒントを提供してくれるだろう。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000134909.html