直木賞作家が描く衝撃の長編!東山彰良『怪物』が文庫化、台湾と中国を舞台に繰り広げられる壮大な物語


直木賞作家・東山彰良の渾身の長篇エンターテインメント小説『怪物』が、4月23日に新潮文庫から発売された。本作は、東山氏の代表作『流』から繋がる台湾と中国大陸を舞台に、過去と現在を行き来する壮大な物語だ。
物語は、台湾空軍のスパイだった叔父の実話をもとに小説を執筆する主人公・柏山康平を中心に展開する。叔父は毛沢東時代の中国に墜落し、過酷な環境を生き抜いて奇跡的に台湾へ帰還した。その壮絶な体験を描いた小説『怪物』が国際的に高い評価を受け、柏山は台湾への凱旋帰国を果たす。
しかし、栄光の陰で、柏山は出版社の社員・椎葉リサとの不倫に陥る。過去の叔父の物語と現代の柏山の葛藤が交錯しながら、物語は怒濤のクライマックスへと突き進んでいく。東山氏は「主人公・柏山浩平には私自身が投影されています」と語り、自身の経験も作品に反映させている。
東山彰良は1968年台湾生まれ、9歳で日本に移住した経歴を持つ。2015年に『流』で直木賞を受賞し、その後も数々の文学賞を受賞している実力派作家だ。本作『怪物』は、彼の作家としての成熟を示す意欲作となっている。
濃密な恋愛描写、命がけの逃避行、そして台湾と中国大陸の匂い立つような描写。これらの要素が絶妙に絡み合い、読者を惹きつける。小説という名の"怪物"とも呼べる本作は、東山彰良の新たな代表作となる可能性を秘めている。
文庫版で1,045円(税込)という手に取りやすい価格で発売された『怪物』。東山彰良ファンはもちろん、壮大なエンターテインメント小説を求める読者にとって、見逃せない一冊となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002041.000047877.html