図書館員が選ぶ「こわいほん大賞2025」受賞作品が決定


読書の秋、そして怖い話の季節がやってきた。日本出版販売株式会社(日販)が主催する「こわいほん大賞2025」の結果が発表され、図書館界に注目が集まっている。全国の図書館関係者501名が投票に参加し、72冊のノミネート作品の中から、4つの部門で最も怖い本が選ばれた。
「ぞわぞわ部門」では、江戸川乱歩の名作『人間椅子』が選ばれた。ホノジロトヲジによるイラストが、この古典的な物語に新たな魅力を加えている。ある小学校司書は「中学生の時、初めて読んで衝撃を受けました。それらしい椅子を見るたび、想像してゾワゾワすること、間違いなし!」とコメントしている。
「ひやひや部門」では、宮沢賢治の『注文の多い料理店』がトップに輝いた。スズキコージの絵が、この物語をさらに引き立てている。30年以上前に刊行された作品だが、今なお色褪せない魅力を放っている。
「びくっ部門」の王座に輝いたのは、『こっちをみてる。』だ。となりそうしちの物語に、ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二が絵を描いたこの作品は、多くの図書館関係者を驚かせた。「間違いなく一番怖いです」という声も上がっている。
最後の「どろどろ部門」では、木爾チレンの『二人一組になってください』が選ばれた。デスゲームを題材にしたこの小説は、特に若い読者からの支持が高く、多くの学校図書館でリクエストが多いという。
日販図書館選書センターでは、これらの受賞作品を含む全ノミネート作品を展示している。怖い本好きの読者はもちろん、図書館関係者にとっても見逃せない機会となっている。
怖い本は、読者の想像力を刺激し、心理的なスリルを提供する。それは単なる娯楽以上の価値があり、時に人間性や社会の深層に迫る力を持っている。今回の受賞作品は、それぞれが独自の「怖さ」を追求し、読者の心に深く刻まれる作品ばかりだ。
秋の夜長、これらの怖い本に挑戦してみてはいかがだろうか。ただし、夜中に一人で読むのは自己責任で。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000594.000023227.html