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柚木麻子『BUTTER』が英国で3冠達成、世界36カ国で翻訳決定

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報道発表
イギリス版『BUTTER』(プレスリリースより)

日本の文学界に新たな快挙が生まれた。柚木麻子さんの長編小説『BUTTER』が、イギリスの権威ある文学賞「The British Book Awards 2025」のDebut Fiction部門を受賞したのだ。これにより、『BUTTER』はイギリスで3つの賞を獲得する快挙を成し遂げた。

『BUTTER』は、2020年1月に新潮文庫から刊行された作品で、国内では30万部を超えるロングセラーとなっている。物語は、男性の財産を奪って殺害した容疑で拘置所に収監されている「カジマナ」こと梶井真奈子と、彼女に取材する週刊誌記者の町田里佳を中心に展開する。フェミニズムや美食、ミステリーの要素を巧みに織り交ぜた独特の世界観が、読者の心を掴んでいる。

海外での評価も高く、2024年2月にイギリスの出版社4th Estateから英語版が刊行されると、たちまち大きな話題を呼んだ。イギリスでは40万部、アメリカでは10万部を超えるベストセラーとなり、現在では36カ国での翻訳が決定している。

イギリスでの評価は特に高く、「2024 Books Are My Bag Readers Award」の「Breakthrough award category」、「Waterstones Book of the Year 2024」に続き、今回の「The British Book Awards 2025」Debut Fiction部門の受賞で3冠を達成した。

この快挙について、柚木さんは「大変光栄です。この作品を素晴らしい形で翻訳してくださったポリー・バートンさん、4th Estateの皆さま、書店の皆さま、そして読者の皆さまに心よりお礼申し上げます」とコメントしている。

『BUTTER』は、男性優位社会への疑問や、ルッキズム、過労など現代社会の問題に鋭くメスを入れながら、自己ケアと緩やかな連帯の重要性を問いかける作品だ。その普遍的なテーマが、国境を越えて多くの読者の共感を呼んでいる。

日本文学の新たな旗手として世界的に注目を集める柚木麻子さん。今後の活躍にも期待が高まる。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002108.000047877.html