ライトノベル作家としてデビューを目指すなら新人賞とWeb投稿どっち? それぞれの概要と判断材料を解説!


『転生したらスライムだった件』 『薬屋のひとりごと』『とある魔術の禁書目録』『ソードアート・オンライン』。数多あるライトノベルに触れたことで「自分も物語を書いてみたい」と思い立ち、今はプロになるべく奮闘しているという方も多いでしょう。
そんな作家志望者が必ず直面するのが、「デビューするには新人賞とWEB投稿どっちがいいの?」問題。「絶対新人賞!」という声が上がる一方で、「今の時代はWEB投稿」という声もあり、どちらに挑戦すればいいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、別名義でライトノベル作家として活動しているわたしから、この問題についてお答えしてみたいと思います。
ライトノベル作家としてデビューする方法
ライトノベル作家になるにはさまざまなルートがありますが、基本的には各出版社・レーベルが主催する新人賞で受賞する、もしくは小説投稿サイトで書籍化の打診を受けることでデビューを目指すことになります。まずは、両者の概要について知っておきましょう。
出版社(レーベル)主催の新人賞・公募
KADOKAWA・ホビージャパン・集英社・SBクリエイティブなど、各出版社・ライトノベルレーベルは毎年新人賞という名の公募を開催しています。
募集内容は事前に公開されるため、期日までに規定に沿った作品を提出。その後、出版社・レーベルによって一次審査・二次審査……と複数の選考が行われ、見事賞を受賞できればデビューとなります。
小説投稿サイトからのデビュー
小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、エブリスタなど、小説投稿サイトに作品を投稿していると、出版社の編集者から「この作品を書籍化させてもらえませんか?」と連絡が来ることがあります。
打診を承諾すれば書籍化に向けて動き出すこととなり、デビュー。こうしてデビューする方法は一般的に拾い上げと呼ばれます。
また、タイアップで小説投稿サイト上でコンテストを実施している出版社・レーベルも増えてきており、そちらで受賞することでもデビュー可能です。
新人賞応募とWeb投稿、どっちのほうがいい?
多くのライトノベル作家志望の方は、「新人賞とWeb、どっちに応募するのがいいの?」と悩んでいることでしょう。その答えは単純で、ご自身の性格や書いている・または書く予定の作品によります。
そこで自分の性格や作品はどちらのほうが適しているか、確認するためのポイントについてご紹介します。
文量・ページ数
レーベル主催の新人賞では、「○○字×△△行換算で□□~□□ぺージ」と規定が細かく定められています。
特に人気な電撃文庫大賞を例にあげると、42文字×34行換算で80~130ページ(長編の場合)。文字数にすると114,240~185,640字となり、実際は改行や空行が入りますので、書ける文量はさらに減ることになるでしょう。
さらに、その中で物語が完結している(区切りがついている)ことが求められます。
そのため、物語のスケールや流れ的に、規定のページ数には収まりきりそうにないという場合は、自ずと文字数に制限がないWeb投稿を選ぶこととなります。
作品のカテゴリー
少し前は追放ざまぁや悪役令嬢、最近では婚約破棄・悪役転生・ダンジョン配信、と小説投稿サイトでは流行があります。それらの要素を含んだ作品であれば、Web投稿を選ぶべきです。
というのも、新人賞では代わりがきかない独自性の高い作品が求められるから。上記のような流行に乗った作品は、Webからいくらでも発掘できるため、わざわざ人手を割いてまで新人賞で取る必要がありません。
反対に流行から外れた作品、いわゆるテンプレから大きく外れた作品は、小説投稿サイトでは読者に読まれにくく埋もれてしまいがち。数字が取れず編集者の目にも留まりにくいため、そういった作品は編集や下読みに必ず読んでもらえる新人賞を選ぶほうがいいでしょう。
性格
Webに作品を公開していると、読者から感想や意見が届くことがあります。それが執筆のモチベーションになるのであれば、ひたすら一人で原稿を進める新人賞ルートよりも、Webのほうが楽しんで創作に励めるでしょう。
反対に読者の声をプレッシャーに感じてしまったり、人の意見に左右されたくなかったりする方は、編集者または下読みの方以外には読まれることのない新人賞を選ぶのがおすすめです。