ライトノベル作家としてデビューを目指すなら新人賞とWeb投稿どっち? 条件面に違いは?


それぞれで条件面の違いはある?
新人賞受賞・Webコンテスト・拾い上げ――同じデビューでも、その方法によって条件に違いはあるのかと気になっている方も多いでしょう。答えはイエス、大きく二つの違いが挙げられます。
賞金の有無
まず違いとして挙げられるのは、賞金の有無です。新人賞とWebコンテストでは賞金が設定されていることがほとんどで、受賞すれば印税とは別に金銭をもらえます。対して、拾い上げは賞をもらう訳ではないことから、当然ですが賞金などはもらえません。
中には3桁万円の賞金をもらえる賞もあることを考えると、新人賞やWebコンテストを受賞してデビューしたほうが総額は上回るかも。
出版社・レーベルとの関係性
もう一つの違いが、出版社・レーベルとの関係性。
新人賞を受賞した作家は、応募した作品を通じてその“作家性”を出版社・レーベルに評価されています。そのため、もしも受賞作があまり売れず打ち切りになってしまったとしても、その後も関係は続き、新シリーズに挑戦させてもらえることが多いです。
対し、小説投稿サイト経由でデビューした作家は、作品が評価された結果、声をかけられています。あくまで作品ありきなので、よほどの売れっ子でなければ作品が終わったら、そこでお付き合い終了になることがほとんど。
実際、わたしもWeb作品を拾い上げてくれた編集者との打ち合わせの中で、「もしこれが打ち切りになってしまった場合、企画書を送ったら見てもらえるか」と尋ねたところ、「個人として読んでアドバイスするくらいならできるが、企画として動かすのは難しい」とのことでした。
つまり、打ち切りを食らったWeb出身作家が新たに本を出すには、また小説投稿サイトで人気を集め、拾い上げをしてもらわなければならないということです(世知辛い……)。
その他、印税率や発行部数、コミカライズの有無については、レーベルによって異なるのはもちろん、同じレーベルでも個人単位で異なるため、一概には言えません。
両方挑戦するのも大いにあり!
ここまで新人賞とWeb投稿の違いについて触れてきましたが、どちらか一方にこだわる必要はまったくありません。新人賞で落選してしまった作品をWebにアップするのも、Webで掲載している作品を新人賞に応募するのも全然OKです(応募可否は要確認)。
実際、第27回スニーカー大賞で12年ぶりの大賞を獲得した作品『我が焔炎にひれ伏せ世界』は、受賞前にカクヨムにて掲載されていましたが、当時はあまり注目を集めていませんでした。(カクヨム掲載時タイトル:異端少女らは異世界にて)
ほかにも、Webでは数字を取れなかったものの、新人賞を受賞して書籍化を果たした例は多くあります。そのため、どちらにも挑戦するという気概で挑むのがいいでしょう。
プロデビューを果たすには、新人賞とWeb投稿の特性を理解した上で、自分にあった方法を選択するのが近道です。
各レーベルの新人賞やWebで開催されているコンテスト情報は本サイトから確認できますので、ぜひ上記「公募を探す」からチェックしてみてくださいね。