関西の文学界に新たな風を吹き込む「織田作之助青春賞」が、2025年度の作品募集を開始した。24歳以下の若者による未発表の短編小説を対象とするこの賞は、関西大学を含む4団体で構成される実行委員会が主催している。

今回で20回目を迎える本賞は、若手作家の登竜門として年々注目度が高まっており、前回の2024年度には全国から255点もの応募が寄せられた。大阪出身の作家、織田作之助の生誕70年を記念して創設されたこの賞は、若い世代の創作意欲を刺激し、文学の裾野を広げる役割を果たしている。

関西大学が本賞の運営に深く関わる理由は、多くの若者が活字に触れる機会を創出し、読書の魅力を伝えることにある。文学部教授が選考委員を務めるなど、大学の知見を活かした取り組みとなっている。

応募作品は6月10日から8月31日まで受け付けられ、厳正な審査を経て12月頃に発表される予定だ。受賞者には賞状と30万円の賞金、さらに記念品が贈られる。また、18歳以下の応募者による優れた作品には別途奨励賞が設けられており、若い才能の発掘にも力を入れている。

注目すべきは、チャットGPTなどの生成AIを使用した作品は対象外とされている点だ。これは、応募者の創造性と独自性を重視する姿勢の表れと言える。

文学界の新星発掘に向けて、関西大学を中心とした本取り組みは、若者の創作意欲を刺激し、日本文学の未来を担う人材の育成に大きく貢献している。今後も、この「織田作之助青春賞」から、どのような新進気鋭の作家が誕生するのか、目が離せない。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000207.000013058.html