株式会社WSPが、美術大学・芸術系学部の学生たちに向けて、ユニークな取り組みを開始する。2025年6月より、通常のジュエリーには使用されない「ネイチャーパール」と呼ばれるあこや真珠を、無償で提供するプログラムがスタートするのだ。

ネイチャーパールとは、形や色が一般的な基準に合致しないあこや真珠のこと。しかし、その独特な造形と光沢は、アート作品としての可能性を秘めている。このプログラムは、若い世代にあこや真珠の新たな魅力を発見してもらうとともに、クリエイターとしての成長を後押しする狙いがある。

参加する学生たちは、授業や課題でネイチャーパールを自由に使用し、独創的な作品を制作できる。さらに、優秀作品はWSP公式アカウントで紹介され、商品化の可能性も。学生たちにとって、自身の才能を世に示す絶好の機会となりそうだ。

この取り組みは、WSPが推進する「Love Our Nature」キャンペーンの一環。同社はこれまでも、ダンボール造形作家・玉田多紀氏や廃材アーティスト・加治聖哉氏とのコラボレーションを実現し、ネイチャーパールを使用した斬新な作品を生み出してきた。

WSPの環境への取り組みも注目に値する。気候変動や環境変化によるあこや貝の生育環境への影響を懸念し、環境負荷を抑えるさまざまな施策を推進。ジュエリーにならなかった真珠の新たな活用や、廃材を生かした什器の制作など、持続可能な取り組みを続けている。

1991年に大阪で創業したWSPは、真珠の研究から得た知識を基に、ジュエリーの製造・販売だけでなく、真珠由来の化粧品やサプリメントの開発にも進出。フォーマルパールやファインジュエリーを主力としながら、MARLENA、Pearl for Life、madama・hadaなど、多彩なブランドを展開している。

今回のプログラムを通じて、ネイチャーパールという未活用資源の価値が再発見されるとともに、若手クリエイターの育成や日本の真珠文化の持続的な発展につながることが期待される。芸術と環境保護が融合した、この画期的な取り組みから目が離せない。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000030601.html