上方落語の復興に尽力し、人間国宝にも選ばれた桂米朝（本名：中川清）の生誕100年を記念して、姫路市で特別展「噺家の原点-100年のその先へ-」が開催される。会期は令和7年8月14日から24日まで、姫路市民プラザ特別展示室で行われる。入場は無料だ。

桂米朝は大正14年、姫路市大善町の神社の神主の家に生まれ、幼少期から落語や浪曲に親しんだ。昭和18年に上京後、作家・寄席文化研究家の正岡容に師事。終戦後、焼け跡の姫路で落語会を企画する中で自ら演者になることを決意し、昭和22年に四代目桂米團治に入門した。

その後、存亡の危機にあった上方落語の復興に尽力。独演会形式の落語会を全国展開し、活字や音源による全集化を通じて、上方落語を現代に通用する演芸として蘇らせた功績は大きい。さらに、古典芸能から演芸全般にわたる幅広い分野での研究と交流が評価され、重要無形文化財保持者（人間国宝）や文化勲章受章者となった。

特別展に合わせて、8月14日午後2時からは姫路市民プラザアートホールで、スペシャルトークショー「米朝と私たち」が開催される。桂米團治氏（米朝氏長男）、中川渉氏（米朝氏三男・学芸員）、小澤紘司氏（米朝研究家）が登壇し、米朝氏との思い出や展示について語る。

トークショーへの参加には事前申し込みが必要で、締め切りは8月3日。応募専用フォームから申し込むことができる。落語ファンはもちろん、日本の伝統芸能に興味がある方にとって、見逃せないイベントとなりそうだ。

姫路市が主催し、公益財団法人姫路市文化国際交流財団が企画制作、米朝事務所が制作協力を行う本イベント。上方落語の魅力と、その復興に尽力した桂米朝の足跡を辿る貴重な機会となるだろう。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000312.000073910.html