阪神間モダニズムの申し子!洋画家と広告の天才・山崎隆夫の120年を振り返る特別展
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芦屋市立美術博物館で、洋画家にして広告界の先駆者・山崎隆夫の生誕120年を記念した特別展が開催される。「山崎隆夫 その行路 ―ある画家/広告制作者の独白」と題された本展は、2025年9月20日から11月16日まで行われる。
山崎隆夫(1905-1991)は、大阪生まれ神戸育ちの画家だ。幼少期から芸術に親しみ、神戸高等商業学校(現・神戸大学)在学中に美術グループ「青猫社」を結成。阪神間モダニズムの中心地・芦屋で洋画を学び、後に国画会会員として活躍した。
しかし、山崎の才能は絵画だけにとどまらなかった。戦後、三和銀行の広報担当に抜擢されたことをきっかけに、広告の世界へと足を踏み入れる。その後、寿屋(現サントリーホールディングス)に転じ、宣伝部長として革新的な広告キャンペーンを展開。「ほん機嫌よう遊びなはれ」をモットーに、当時まだ馴染みの薄かった洋酒文化を日本に根付かせる功績を残した。
本展では、山崎の60年に及ぶ画業を4つの時期に分け、代表作35点を展示。同時に、三和銀行時代から寿屋での仕事まで、広告界での功績を約180点の資料で紹介する。特に注目すべきは、開高健や山口瞳といった錚々たる才能を擁した寿屋宣伝部の活動だ。彼らが手がけたトリスウイスキーの広告やPR誌『洋酒天国』は、戦後の大衆文化に大きな影響を与えた。
さらに、1970年の大阪万博でのサントリーパビリオンのプロデュースなど、山崎の多岐にわたる活動にも光が当てられる。絵画と広告、二つの世界で輝かしい功績を残した山崎隆夫の創造性と先見性に迫る、またとない機会となるだろう。
芦屋市立美術博物館での開催期間中、関連イベントも多数予定されている。詳細は美術館公式サイトで確認できる。阪神間モダニズムから戦後の広告革命まで、日本の文化史を彩った稀有な才能の軌跡を、ぜひこの機会に体感してほしい。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001585.000002610.html