建築家・坪井秀矩氏が語る「制約の中の創造」 - デザイナーズエッジ第8回レポート
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空間デザインの未来を切り拓くクリエイターのための対話型イベント「デザイナーズエッジ」第8回が、ユニオンテック株式会社の主催で開催された。今回のゲストは、スモールスケールの空間や地域性に寄り添う設計で注目を集める建築家・坪井秀矩氏。「制約の中で生まれる創造」をテーマに、素材や場所と丁寧に向き合う姿勢、そして"諦めない建築"を実現するための哲学を語った。
坪井氏は、独立から14年にわたるキャリアを振り返りながら、「制約を言い訳にしない設計思想」を紹介。美容院「anfrum」、阪急梅田の香りの専門店「ICHIKŌ ICHIE」、奈良・洞川温泉醸造所といった多彩な事例を提示し、それぞれのプロジェクトに込めた工夫と哲学を解説した。
例えば、「anfrum」では15坪という小さな空間で既存の「柱と梁」を活かし、秩序とリズムをもたらす設計を実現。「ICHIKŌ ICHIE」ではわずか9坪の店舗で希少な石材「本小松石」を用いた什器を制作し、素材の物語性を空間に込めた。「洞川温泉醸造所」では、地域の文化や素材と対話しながら、街に開かれた"縁側"のような建築を設計。和紙や薬木を取り入れ、土地の記憶を空間に織り込んだ。
坪井氏は「100平米の住宅が世界遺産になるのは、諦めずに考え抜いたからこそ。スケールの大小で価値は決まらない」と語り、参加者に「与えられた条件を最大限活かすことの重要性」を力強く伝えた。この言葉は、多くの参加者の心に響いたようだ。
会場には、学生からプロフェッショナルまで幅広い層のデザイナーが来場。講演後の質疑応答と懇親会では、参加者同士の交流も盛り上がり、「また参加したい」「自分の設計にも取り入れたい」という声が多数寄せられた。本イベントが、デザイナー同士の学びと刺激の場として機能していることが改めて示された形だ。
次回、第9回は7月28日に開催予定。株式会社中山佳子設計企画 代表・中山佳子氏を迎え、最新の建築事例をもとに、デザインの本質と可能性を探る。参加費は無料で、学生・若手デザイナーの参加も歓迎している。空間デザインに興味がある方は、ぜひ参加を検討してみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000031121.html