「人間の境界線」を問う!TOKASの新展覧会が挑む、存在の揺らぎと豊かさの探求
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トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が、2025年8月23日から9月28日まで「TOKAS Project Vol. 8『絡まりのプロトコル』」を開催する。本展は、スイス・バーゼルのアトリエ・モンディアルとの交流15周年を記念し、人間の知覚や存在の輪郭の揺らぎをテーマに据えた意欲的な企画だ。
展覧会では、モニカ・ステューダー/クリストフ・ヴァン・デン・ベルク、中島りか、レオナルド・ビュルギ・テノリオの3組のアーティストが参加。彼らは、デジタルメディアを通じた意識、自然界の菌や発酵による生命の循環、死に対する儀礼など、異なる切り口から「人間であること」の不確かさと豊かさに迫る。
ステューダーとヴァン・デン・ベルクは、仮想環境と現実を行き来するVR作品を中心としたマルチメディア・インスタレーションを展開。機械の意識や自律的発達の可能性を、架空の研究施設の物語を通して問いかける。
中島りかは、スイスで合法化されている安楽死をテーマに、個人と社会、そして自然とのつながりを探求したサウンド・インスタレーションを発表。西洋における安楽死の議論に潜む矛盾や、個人主義の加速がもたらす影響を鋭く考察している。
ビュルギ・テノリオは、日本の発酵文化や麹菌に着目し、菌類と環境、景観、文化的慣習との関係性を視覚化。伝統的な稲の乾燥方法「稲架掛け」からインスピレーションを得た立体作品や木彫ドローイングを通じて、生物の生長と腐敗のプロセスを表現する。
本展は、「人間であること」を固定的な状態ではなく、環境を含めたより広範な社会と絡み合いながら変容し続けるプロセスとして捉え直す試みだ。私たちの知覚や存在の輪郭がどのように揺れ動くのか、視覚・聴覚・身体感覚を通じて体験できる貴重な機会となるだろう。
会期中の8月23日には、参加アーティストによるトークイベントも予定されている。人間と自然、技術の境界線が曖昧になりつつある現代において、私たちの存在とは何かを問い直す刺激的な展覧会になりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000873.000038211.html