「海に映る見えないもの」写真家・蓮井幹生が原発をテーマに新作展 - トークイベントで語られた写真の力
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福岡のYUGEN Gallery FUKUOKAで開催中の写真展「十七の海の肖像」が注目を集めている。写真家・蓮井幹生による本展は、日本国内のすべての原子力発電所を訪れて撮影した海景作品17点を展示するもので、8月23日から9月15日まで開催されている。
展覧会初日には、写真家の喜多村みか氏を迎えてのスペシャルトークイベントが行われた。対談では「原発」や「自然と文明の関係性」といった社会的テーマが取り上げられ、写真表現の可能性について深い議論が交わされた。
蓮井氏は「海は見えないものが映る」と語り、穏やかな海の風景の中にも目に見えない何かが存在していることを指摘。さらに「写真は過去を記録するだけでなく、未来を映す力も持ち得る」と、写真の新たな可能性を示唆した。
一方、喜多村氏は被爆地での取材経験に触れ、社会的テーマを作品として提示することの意味や覚悟について語った。写真家として「真実」にどう向き合うかという問いは、来場者の心に深く響いたようだ。
本展では、蓮井氏が2023年末から2025年にかけて約1年半をかけて撮影した作品が展示されている。建設中の青森県大間原発を除く、日本国内のすべての原子力発電所を訪れて撮影されたという。
静かでありながら確かな力を持つ写真というメディア。そして、「見えないもの」をいかに写し取るかという永遠の課題。本展は、現代社会が抱える問題を鋭く切り取りながら、写真芸術の新たな可能性を探る意欲的な試みとなっている。
写真愛好家はもちろん、現代アートに関心のある方、社会問題について考えを深めたい方にとって、見逃せない展覧会だ。会期は9月15日までとなっているので、興味のある方は足を運んでみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000496.000074187.html