第50回 高橋源一郎「小説でもどうぞ」 課題「まちがい」結果と講評


1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』でデビュー。
小説、翻訳、評論など著書多数。日本のポストモダン文学を代表する作家。
■第53回 [ 罪 ]
12/1~12/31(23:59)
■第54回 [ 才能 ]
1/1~1/31(23:59)
まちがい
今回の課題は「まちがい」。傑作続出のテーマも、なんだか書きにくそうなテーマの時もあります。実際、事前にはわかりません。テーマより前にまず小説を書くことを優先!
菩提蜜多子さんの「マリーミーマム」は、ちょっと変わった作品で、ずっと電話での会話なんです。まず「三井」から「洋子さんへ」。どうやら、お見合いかマッチングサーヴィスで出会ったらしいのだが、「三井」は数回会っただけで断られたようだ。しかし諦めきれない「三井」は「洋子さん」に、再度しつこく電話でアタック。だが、途中でとんでもない勘違いをしていることに気づくのだ。面白い作品だが、これもまた最後にオチらしいオチがないのでは。というわけで、申し訳ないが、今回は最優秀作品はありません。
青豆ノノさんの「拗ねるの法則」の主人公「柊」、というか「俺」は、いつものように「ヨシロー」のいる美容室にやって来る。いつものように髪を整えてもらうためだ。「柊」の座ったチェアの背もたれが倒れ、「俺」は「固く目を閉じた」。「ヨシローの前で無防備に顔をさらしているのが耐えられない」のだ。シャンプーからセットへ。「柊」の言葉に「俺」は動揺して、切り終わる間際に立ち上がる。いつものように。実は……間違っていたのは、ちょっと変わったもの(?)なんですが、やや説得力に乏しいのでは。
白浜釘之さんの「生命体進化ゲーム」は「どこで間違ったのだろう」という言葉で始まる。主人公の「私」は「生命の誕生から数十億年」「この星の環境を整えてちゃんと進化を導いてきた」。 実は「私」は「生物を進化させるゲーム」をやっている。どうも、「私」の界隈ではそれが流行っているらしいのだ。うまくその星に文明を築くことに成功させるやつもいる。「私」はなかなかうまくいかない。何度も失敗している。そして「私」は、また新しい惑星を発見した。その惑星は……えっと、オチありますか? この作品。
山本倫木さんの「絶対正解装置」。「博士」が発明したのは「一日に一回だけ、どんな質問にも絶対に間違えずに答えてくれる」装置だ。そして、「装置」は博士に、主人公の「僕」に頼めば「一番人類のためになる使い方をしてくれる」と請け合うのである。「僕」はただの高校生だというのに。「装置」を使うようになった「僕」の成績はどんどん良くなってゆく。そればかりか、「装置」の言う通りにして「片想いをしていた」、文芸部の女の子と仲良くなることにも成功。だが「僕」は……やはり、このオチもどうかな。
吉田猫さんの「その橋を渡れ」はこう始まる。「思い返せばいつもその声、その言葉に助けられた。〝橋を渡れ〟決断を迫られたとき、どこからか聞こえてくる重厚な男の声だ。選ばれた私にだけ聞こえてくる天の声」。そうやって、人生の重要な瞬間に「橋を渡れ」と声が聞こえて「私」は常に成功の道を歩んで来た。この日までは。そう、家族を連れて車で旅行中、地震で橋が倒壊、家族を乗せた車が取り残されたのだ。その時、またあの声が。「橋を渡れ」。そして、私は……うーん、ちょっとオチが弱いんだよね。
早美さんの「一月七日、億万長者」、「四十歳になろうとして」いて、「彼女もいない」し「六畳一間のアパートで細々と暮らしている」主人公の「俺」は年末ジャンボ宝くじを買った。そして冷蔵庫にしまう。そうすると当たりやすいと聞いたからだ。やがて当選発表の日。スマホで当選番号を確認してゆく……なんと一等、七億円! その日になり、身分証明書と印鑑を持って銀行へ。そして、換金の瞬間。銀行員はこう言うのだ……えっ? もちろん、番号は合ってます、でも。うーん、このオチは
和久井義夫さんの「どっちにしても」の主人公「小林翼」は、「今朝の企画課会議で次の販売製作を提案する」ための準備をしていた。なのに、遅刻しそうなのだ! 慌てて、家を出る「小林翼」。慌てていたために、靴はちぐはぐだし、間違えて普通電車に乗るし、散々だ。なんと会社に到着して始めたプレゼンでも間違いだらけ。なにもかもうまくいかない。部長からはいろいろ指摘されるし、経理からも文句を言われる。散々な日だった。そして、「小林翼」はふと思うのだ。「×××……」と。そのオチはちょっと……。
深谷未知さんの「物忘れの対価」、帰宅して照明のスイッチを入れると「チカチカ点滅を繰り返」す。なんだかおかしい。さらにスマートフォンが振動しているので画面を見ると「非通知」となっている。誰だろう。電話に出ると、向こうも黙っている。そして、「あっと呟いて電話が切れた」。その声が亡くなった友人に似ていることに「私」は気づく。なんだかその友人のことが気になる。そして、「私」が「外」に出て自分の部屋を見上げると……三回読んだのだが、意味がよくわからないのだよねえ。タイトルもだけど。
■第53回 [ 罪 ]
よくこんな大物のテーマが残ってました。「罪」ねえ。人間の世界は罪に溢れてます。あまりにも大きく、広く、多すぎるテーマかもしれません。みなさん、目一杯、想像を広げてください。小さな罪でもいいですよ。
■第54回 [ 才能 ]ええ、課題は「才能」です。なんだか、身近過ぎる、というか、考えこみそうな課題ですね。でも、あらゆる分野にあらゆるタイプの「才能」があります。こんなところに、こんな! という作品を読ませてください。
■第53回 [ 罪 ]
12/1~12/31(23:59)
■第54回 [ 才能 ]
1/1~1/31(23:59)
本文2000字程度。縦書き。
(テキストデータは横書きでかまいません)
書式は自由ですが、A4判40字×30行を推奨します。
WEB応募に限ります。
応募専用ページにアクセスし、原稿をアップロ―ド。
(ファイル名は「第○回_作品名_作者名」とし、ファイル名に上記以外の記号類は使用不可。_の記号は半角に)
作品の1行目にタイトル、2行目に氏名(ペンネームを使うときはペンネーム)、3行目を空けて4行目から本文をお書きください。
本文以外の字数は規定枚数(字数)にカウントしません。
Wordで書かれる方は、40字×30行を推奨します。
ご自分で設定してもかまいませんが、こちらからもフォーマットがダウンロードできます。
作品は未発表オリジナル作品に限ります。
入賞作品の著作権は公募ガイド社に帰属します。
AIを使用して書いた作品はご遠慮ください。
入選作品は趣旨を変えない範囲で加筆修正することがあります。
応募者には公募ガイド社から公募やイベントに関する情報をお知らせすることがあります。
第53回 2026/3/1、Koubo上
第54回 2026/4/1、Koubo上
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