公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」

デニムの傷跡に宿る魂:アニメーター米澤柊が挑む、LVMHとクロキの革新的アートプロジェクト

タグ
報道発表
@Azusa Yamaguchi(プレスリリースより)

ラグジュアリーブランドの巨人LVMHと日本のデニム生産の名門クロキが手を組み、新たな芸術の地平を切り開く。その舞台となるのは、岡山県井原市。ここで、新進気鋭のアニメーター米澤柊が6ヶ月にわたり、デニムの魂を探る旅に出た。

LVMH メティエ ダールが主催する第9回「アーティスト・イン・レジデンス」プログラム。今回、日本で初めて開催されたこのプロジェクトで、米澤氏は伝統と革新が交差するクロキの工場に身を置き、デニムの持つ無限の可能性に挑んだ。その成果が、新作群『光の傷』として結実する。

米澤氏は、デニムを単なる布地としてではなく、人生の痕跡を映し出す鏡として捉え直した。かつて着用者の歴史を刻んでいたジーンズの傷は、今やコンピューターやレーザーで人工的に再現される。この現象に着目した米澤氏は、デニムを「繰り返し再生産されながらも、絶えず新たな表情が生まれるメディウム」として再解釈。そこに、現代社会における存在の証を見出そうとしている。

作品は、井原の自然、瀬戸内海のクラゲ、美星天文台で目にした惑星の整列など、地域の特色豊かな要素からインスピレーションを得ている。さらに、クロキの職人技や工場のリズム、シャトル織機の音までもが、作品に息吹を与えている。

米澤氏は「この経験は、私の芸術観だけでなく、魂そのものを豊かにしてくれました」と語る。LVMHのジャン=バティスト・ヴォワザン氏も「日本の伝統的なクラフツマンシップと現代アートを結びつける、極めて貴重な機会となりました」と、このプロジェクトの意義を強調している。

『光の傷』は、9月10日にクロキ株式会社本社で一般公開される。その後、2025年10月にはパリでの展覧会も予定されており、日本発のアートが世界に羽ばたく瞬間を見逃すわけにはいかない。

デニムという日常的な素材を通じて、存在の本質を問いかける米澤氏の作品。それは、私たちの生きる証を探る旅でもある。井原の地で生まれた新しいアートの形が、どのような光を放つのか。その答えを見つけるため、多くの人々が『光の傷』に触れることを願ってやまない。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000076467.html