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韓国の鬼才イ・ラン、家族の闇に迫る衝撃のエッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』9月25日発売

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報道発表
プレスリリースより

韓国と日本で活躍するマルチアーティスト、イ・ランによる最新エッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』が、2025年9月25日に河出書房新社から刊行される。本書は、「家族」をテーマに据えた痛切な19編のエッセイを収録しており、韓国社会の封建的な構造や、抑圧としての家族の姿を鋭く描き出している。

イ・ランは1986年生まれのミュージシャン、作家、イラストレーターとして知られる。彼女の多彩な才能は、音楽賞の受賞や、複数の著書の邦訳出版などで証明されている。本エッセイ集では、突然の姉の死、20年近く寄り添った愛猫との別れ、そして両親や祖父母の歴史など、個人的な経験を通じて韓国の社会問題を浮き彫りにしている。

本書の中心となる「母と娘たちの狂女の歴史」は、2022年に「文藝」春季号に掲載され、大きな反響を呼んだ作品だ。イ・ランは「お母さんのせいではない。お母さんのせいではないが、お母さんを狂女になるように追い込んだ残酷なしがらみの中で、私もまた狂女に育った」と、家族の中で受け継がれる苦しみを赤裸々に綴っている。

翻訳は斎藤真理子氏が担当し、「血縁という地獄」には「朝鮮戦争以来の韓国の歴史がぴったり貼りついています」と指摘している。個人の物語を通じて社会の問題を浮き彫りにする手法は、1960年代のフェミニズム運動のスローガン「個人的なことは政治的なこと」を彷彿とさせる。

本書の刊行を記念して、9月27日から10月3日にかけて、イ・ランの来日ライブツアーが開催される。10人編成のバンドによる圧巻のパフォーマンスが期待される。また、10月8日には東京・池袋で、映画監督の中村佑子氏とのトークイベントも予定されている。

家族、自由、そして社会への鋭い洞察に満ちた本書は、読者に深い感動と新たな視点をもたらすことだろう。現代社会を生きる全ての人に、一読をお勧めしたい一冊である。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001049.000012754.html