衣服の裏側が語る歴史と記憶 - ポーランドの現代美術家ボヴニク、姫路で初の写真展
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ポーランドと日本の文化交流が新たな段階を迎える。ポーランドの国立博物館「日本美術・技術博物館Manggha」と姫路市立美術館が連携し、現代美術家ボヴニクの写真作品展「アンダーコート(Undercoat)」を開催する。この展覧会は、両館が昨年締結した連携協定の第一弾事業として注目を集めている。
展示の中心となるのは、「リバース(Reverse)」シリーズだ。これは、衣服を裏返して撮影した一連の作品で、縫い目や裏地が露わになった姿を通じて、衣服に秘められた歴史や個人の物語を探る試みだ。ポーランド独立の立役者ユゼフ・ピウスツキの軍服から、シベリアのシャーマンの衣装まで、多様な衣服が登場する。
1977年生まれのボヴニクは、ポーランドを代表する現代美術家の一人だ。哲学と写真を学んだ経歴を持ち、現在はウッチ国立映画大学で教鞭を取る。8x10カメラを駆使し、被写体を丁寧に分解・再構築する手法で知られる。その作品は、ポズナニ国立美術館やワルシャワ近代美術館など、欧州の主要美術館に収蔵されている。
展覧会期間中には、ボヴニク本人を交えたトークセッションやワークショップも予定されている。特に注目は「PRIVATE REVERSE」と題されたワークショップだ。参加者は自身の衣服を持参し、ボヴニクの指導のもと「リバース」作品を制作する。これは、アーティストの創作プロセスを体験できる貴重な機会となるだろう。
「アンダーコート」展は、2025年10月4日から13日まで姫路市立美術館で開催される。入場は無料。開会式は初日の10月4日午前10時から行われ、誰でも参加可能だ。この展覧会は、衣服を通じて個人と社会の記憶を探る新しい視点を提供し、日本とポーランドの文化交流に新たな一頁を加えることになりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000344.000073910.html