東京国立博物館が挑む「誰もが楽しめる」新時代の展示体験!ろう者との共創で生まれた驚きのアイデアとは
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日本最古の博物館である東京国立博物館が、新たな挑戦を始めた。インクルーシブデザインスタジオCULUMUと共に、「誰もが楽しめるミュージアム」を目指し、ろう者との共創ワークショップを実施。その結果、従来の展示体験を一新する斬新なアイデアが生まれた。
近年、ダイバーシティ&インクルージョンの重要性が高まる中、文化施設においても多様な背景を持つ人々が文化を享受できる環境づくりが求められている。しかし、美術品や文化財の鑑賞は視覚情報への依存度が高く、障害のある方や言語・文化背景の異なる方々にとっては心理的・物理的な障壁が生じやすいという課題があった。
この課題に対し、東京国立博物館はCULUMUのワークショップを導入。ろう者のリードユーザー6名と博物館スタッフ4名、CULUMUスタッフ3名が参加し、多様な人々が文化財を楽しめる未来の展示空間を探求した。
ワークショップから生まれた具体的なアイデアは以下の通りだ:
- 手話で対応できるスタッフが一目でわかる「手話バッジ」の導入
- 多言語・日本手話に対応したタブレット案内
- 日本手話付きショート動画のSNS配信
- 触図(しょくず)・振動・香りを活用した五感で楽しむ展示
- ろう者スタッフの採用や手話研修の実施
これらのアイデアは、単なる表面的な配慮ではなく、ろう者の視点を深く取り入れた革新的な提案となっている。例えば、手話バッジの導入は、コミュニケーションの壁を取り払う簡単かつ効果的な方法だ。また、五感を活用した展示は、視覚に頼らない新しい鑑賞体験を創出する可能性を秘めている。
東京国立博物館の川岸瀬里氏は「CULUMUのプログラムは、我々博物館研究員が普段とは異なる視点から、来館者の体験を深く考えるための素晴らしい機会となりました」とコメント。今後の展示や運営に、これらのアイデアを積極的に取り入れていく意向を示している。
CULUMUのCDO川合俊輔氏は「デザインの力は、課題を解決するだけでなく、組織の中にいる人々が新たな視点を発見するきっかけを作ることができる」と述べ、文化・芸術領域におけるインクルージョンの重要性を強調した。
この取り組みは、博物館体験の未来を示唆するものだ。多様性を尊重し、誰もが平等に文化を楽しめる環境づくりは、今後ますます重要になるだろう。東京国立博物館の挑戦が、他の文化施設にも波及し、より多くの人々が日本の豊かな文化遺産を楽しめる日が来ることを期待したい。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000274.000022873.html