芥川賞作家・市川沙央の『ハンチバック』がフランス文学界を震撼!メディシス賞最終候補入り
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日本文学界に衝撃を与えた市川沙央の芥川賞受賞作『ハンチバック』が、今度はフランス文学界を揺るがしている。この度、フランスの権威ある文学賞「メディシス賞」の外国小説部門最終候補7作品に選出された。
『ハンチバック』は、重度障害者の視点から身体と意識の流れを鮮烈に描き出した作品だ。2023年7月に第169回芥川龍之介賞を受賞し、日本の読書バリアフリー環境に一石を投じた。その反響は瞬く間に海外へと広がり、現在25の国と地域で翻訳版の刊行が進行中だ。
メディシス賞は1958年に創設されたフランスの名誉ある文学賞で、過去にはミラン・クンデラやウンベルト・エーコ、オルハン・パムクなど、ノーベル文学賞受賞者の作品も選出されている。日本作品の受賞はこれまでなく、市川作品の選出は快挙と言える。
『ハンチバック』の主人公・井沢釈華は、極度に湾曲した背骨を持つ女性だ。グループホームの一室で暮らしながら、大学の通信課程に通い、コタツ記事を書き、18禁TL小説を投稿する。その生き様は、障害を抱えながらも懸命に生きる人々の姿を鮮明に映し出している。
市川沙央は1979年生まれ。筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側彎症を持ち、人工呼吸器と電動車椅子を使用している。彼女の経験が作品に深みと説得力を与えているのだろう。
メディシス賞の受賞作は11月5日に発表される。日本文学がフランスで高く評価されることは、文化交流の観点からも大きな意義がある。市川沙央の『ハンチバック』が、障害者の声を世界に届ける架け橋となることを期待したい。
なお、『ハンチバック』の文庫版が今月7日に発売された。ルビを大幅に増やし、より多くの読者に親しみやすくなっている。日本文学の新たな地平を切り開いた本作を、ぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000804.000043732.html