幼いころからYouTubeやTikTokなどの動画サービスに親しんでいる、現代の子どもたち。面白い動画を見たら、自分も作ったり、出たりしてみたくなるものです。

最近では動画配信に憧れる子どもが急増中とのこと。本記事のライターの子ども（中学生）もその一人でした。一方で、親や保護者としては、インターネット上での子どもを狙う犯罪やトラブルも心配です。

「子どものやる気や創作意欲は応援したいけれど、やらせて大丈夫？」「何に気をつけたらいいの？」と迷っている保護者のみなさん！

お子さんが「動画配信をしたい」と言いだしたらどうするか、保護者はどう見守ったらいいのか、一緒にポイントを確認していきましょう。

将来の夢はYouTuber？

いまや、小中学生の「将来の夢」としても動画配信者（YouTuber、TikToker、Instagramerなど）は人気の職業です。

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TikTokなどの動画配信で話題になったのちに、芸能界にデビューする人も増えてきました。FRUITS ZIPPERの松本かれんさんもそうですね。親世代の感覚でいうと、人気雑誌の読者モデルから芸能界入りする黄金ルートが、現代の動画配信者にあたるかもしれません。

また、芸能界や芸術・映像系の進学を目指さず、あえてインターネットという場を選んで活躍する人も増えました。ティーンエイジャーに限らず、小学生から活躍しはじめるケースも目立ちます。「ひき肉です！」で一斉を風靡した「ちょんまげ小僧」も、話題がでた当初は全員小学生でした。

スマホやタブレットで簡単に動画撮影・編集ができる時代。学校の課題も、動画撮影して提出する世の中です。子どもたちの「動画で表現したい、やってみたい」という興味をむやみに否定するのは、時代にそぐわないかもしれません。

動画配信はメリットもたくさん

小説や絵を書いたり、楽器に打ち込むように、動画配信にも取り組むメリットがあります。

住んでいる場所に関係なく始められる

習い事のようにどこかの場所に通う必要がなく、スマホかタブレットがあれば始められます。

多くの人に作品を見てもらえる

作品を見せるタイミングも自分で選べます。試合や発表会のように、日時が決まっているわけではありません。マイペースに進めることが可能。

試行錯誤をし、やりながら学べる

これからの時代に、動画の作成や配信の仕組みに触れておくのはむしろ必要なことです。

同じ趣味の友だちを見つけることができる

好きな音楽、昆虫、歴史、手芸など、共通の趣味を持つ人が身近にいなくても、動画配信をすると意外と見つかるかも。また、同じ趣味の人から見つけてもらえるかもしれません。

社会性が身につく

ネット上のトラブルを避ける方法や、言葉づかい、他のクリエイターへの敬意や権利の尊重など、よい学びになります。

一方で、デメリットとして心配になるのは、やはり「トラブルが起こりやすい」「子どもを狙った犯罪が横行している」という点ではないでしょうか。

ライターの子どもが動画配信に興味を示したとき、同じように悩みました。けれども、こうした危険は、いつかは学ばなくてはならないことです。むしろ高校生、社会人など、親が口出しできないような年齢になってから急にはじめて、大きなトラブルに巻き込まれる方が痛手です。親が手助けできる小中学生のうちから、一緒にリテラシーを学ぶ方がよいかもしれません。

ということで、ライターの場合は「やってみよう！　むしろやろう！」ということになりました。もう中学生、親が見守るには最後のチャンスかもしれないと思ったからです。

子どもがやりたいジャンルは「手元動画」。推しグッズや自分の描いた絵などをBGMにのせて紹介する、1分以内のショート動画です。
最初は「有名人でもないのに、手元を見せて何の意味があるんだろう」とライターも思ったのですが、これは現代でいうブログのようなもの。「今日何があった」「これが好き」など、mixiやAmebaブログに綴った親御さんも多いでしょう。あれです。

手元動画は手元しか写らないのが特徴。編集して音楽とテロップを入れるので、基本的には顔も出さず、声も入れません。小中高生の女子に人気ですが、性別年齢問わず、さまざまなジャンルで日々投稿されています。

投稿サイトのルールを遵守

動画をつくる前に、どの投稿サイト・媒体で配信するかを決めましょう。それによって、投稿できる動画の長さや利用規則も変わるためです。また、投稿時のマナーもお子さんと一緒に確認しましょう。

年齢制限をチェック

YouTubeは視聴・配信ともに、13歳までは保護者の管理が必要です。また、16歳まではライブ配信は不可。18歳まで収益化は不可です。一方、TikTokは13歳までは投稿不可。15歳まではコメントとDMが使えず、以降、18歳まで段階的に解除されます（いずれも2025年11月現在）。くれぐれもアカウント登録の際に、生年月日をごまかさないように。保護者のアカウントを借りて子どもが投稿する場合でも、子どもの年齢のルールに従った方が安心でしょう。

権利侵害をしない

二次創作してはいけないキャラクターや、無断使用ができない音楽は使ってはいけません。その使用の可否を確認するのも勉強です。誰かの作品をそっくりにマネて投稿するのもやめましょう。とはいえ、模倣は上達への一歩。投稿しないで、自分の端末だけで練習するのみならOKです。創作者のひとりとして、他者の作品にも敬意を払いましょう。

悪口を言わない

インパクトの強い動画を撮りたいからといって、たとえばアニメキャラや活動者、芸能人のグッズを破壊したり、人や作品をおとしめるようなことをしてはいけません。また、特定の人物を攻撃するようなこともNG。批判や感想と、悪口は違うものだと学ぶ機会です。

数字を追いすぎない

フォロワー数、いいねの数、再生回数など、数字で結果が見える点は、WEBを使った活動のいいところです。けれども、仕事のような責任や、収入がかかっているわけでもないのに、数字にとらわれすぎると辛くなる一方。悪口を投稿したり、過激な内容、パクりに走りかねません。あくまで動画作成&投稿を楽しむこと。よい評価や閲覧数が1つでも増えたらよろこぶことを心がけましょう。

すぐに保護者に相談を

何か操作していたときに、よくわからずに「はい」を選択して進まない、という約束をお子さんとしましょう。よくわからなければ、選択する前に相談を。また、相手を傷つけようとしてくるアンチコメントや個人情報をさぐるコメントなども、一旦は言い返さずに、すべて保護者に報告するルールにしましょう。ネット上での悪さは、必ず特定できるものです。「自分もやらない・やられたら相談する」を徹底しましょう。

保護者も一緒に確認して、ネットリテラシーをUPしていきましょう！