報道写真の巨匠が芸術家として過ごした日々―東京都写真美術館で「W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代」開催


東京都写真美術館は、2026年3月17日から6月7日まで、20世紀を代表する報道写真家W. ユージン・スミス(1918–1978)の個展「W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代」を開催する。本展は、スミスがニューヨーク・マンハッタンの通称「ロフト」で過ごした時期に焦点を当てた日本初の展覧会となる。
スミスは第二次世界大戦中に『ライフ』誌の特派員として沖縄やサイパンなどの激戦地を取材し、戦後も〈カントリー・ドクター〉や〈水俣〉など、人々の生活に密着した作品を次々に発表した。複数の写真と短い解説文を組み合わせて物語を紡ぐ「フォト・エッセイ」の第一人者として確固たる地位を築いた人物だ。
1954年に『ライフ』誌を退いたスミスは、ニューヨーク・マンハッタンのアパート「ロフト」に移り住んだ。そこはセロニアス・モンクやマイルス・デイヴィスといったジャズ・ミュージシャン、サルバドール・ダリや抽象表現主義の画家たち、ロバート・フランクやダイアン・アーバスなどの写真家まで、時代を担う多彩な芸術家が集う場となった。スミスは頻繁に行われるジャム・セッションや交流の様子を写真に収め、従来のジャーナリズムの枠を超えた芸術的可能性を探る試みに没頭していく。
本展では、〈私の窓から時々見ると…〉や〈ロフトから〉、〈ジャズとフォークのミュージシャンたち〉といったロフト時代の作品を中心に、〈ピッツバーグ〉シリーズや〈水俣〉シリーズなど、その前後の代表作も紹介される。センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィー、アリゾナ大学に収蔵されているアーカイブ資料を元に、当時スミスが書き残した言葉やスケッチ、新聞の切り抜きが貼りめぐらされていたロフトの壁を、ロフトで流れていた音楽とともに展示室に再現する試みも行われる。
会期中は全3回のシンポジウムやギャラリートークなどの関連イベントを開催。また、ジョニー・デップが製作・主演を務めた映画『MINAMATAーミナマター』の上映も予定されている。観覧料は一般700円、学生560円、高校生・65歳以上350円。開館時間は10時から18時まで(木・金は20時まで)で、毎週月曜日が休館日となる。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000975.000038211.html