1/28更新 サザンカとツバキとカンツバキ。あなたは違い、分かりますか?【わずかな違いを判別 見分ける君】


サザンカの開花期は、晩秋から冬(10月~12月)。
ツバキの開花期は、冬から春(12月~4月)。
演歌「さざんかの宿」には、「♪赤く咲いても冬の花」とあるように冬の花。
一方、「釜山港に帰れ」では、「♪つばき咲く春なのに」と歌われているように春まで咲いている。
開花期がかぶるのは、12月で、この時期に見かけると、
「サザンカかな、ツバキかな」と迷う。
ということで、サザンカ、ツバキ、これにカンツバキも加え、どこが違うか調べてみた。
判別1サザンカとツバキとカンツバキ
サザンカ
山茶花
ツバキ科ツバキ属・常緑小高木

サザンカもツバキも同じツバキ科ツバキ属で、パッと見はよく似ている。
園芸に詳しくない人は、「どっちかな」と思ってしまうが、決定的に違うのは咲き方と散り方。
サザンカは花が開いて咲き、散るときは花びらが1枚ずつ落ちる。
散ったあとを見て、花びらがバラバラになっていたらサザンカだ。
ちなみに、サザンカは山茶花と書く。そのまま読むとサンザカ。
実はもとは「サンザカ」だったが、言いにくいので音位転換してしまい、
いつのまにか「サザンカ」になったらしい。
しかし、表記は変わらない。言文不一致が、こんなところにもあった!
開花期 10月〜12月
咲き方 平開する
散り方 1枚ずつ散る
花の特徴 香りがある
葉の特徴 小ぶりで、縁にギザギザがある
ツバキ
椿
ツバキ科ツバキ属・常緑高木

ツバキのほうは、平開せず、上の写真のようにカップ状になって咲く。
これは花糸(おしべの糸状の部分)が合着してかたまっているため。
散るときは首ごともげるようにボトッと散る。
散ったあとを見ると、ツバキはかたまりになっているのでわかる。
ツバキが縁起が悪いと言われるのは、散り方が介錯(首打ち)を連想させ、武士に嫌われたため。
ツバキ自体に縁起が悪い要素があるわけではない。
葉室麟の小説に『散り椿』があるが、潔い武士を象徴する花としても扱われる。
開花期 12月〜4月
咲き方 カップ状になって咲く
散り方 ボトッと一気に散る
花の特徴 香りはほとんどない
葉の特徴 ギザギザはほとんどない
カンツバキ
カンツバキ
ツバキ科ツバキ属・常緑中低木

カンツバキは寒い時期に咲くツバキではなく、サザンカとツバキの交雑種。
植物名は「カメリア・ヒエマリス」と言い、関西では獅子頭(シシガシラ)と呼ばれる。
サザンカの特徴をよく引き継ぎ、咲き方、散り方もよく似ている。
ただ、サザンカより背が高く、上の写真のように八重咲き。
サザンカの花びらは5~7枚で、ツバキは5枚だが、カンツバキは14枚以上もある。
開花期 12月〜3月
咲き方 平開する
散り方 1枚ずつ散る
花の特徴 香りはある
葉の特徴 ギザギザがある
サザンカ、ツバキ、カンツバキには以上のような違いがあるが、品種がたくさんあり、素人目には同じに見える種もある。
ついでに判別タゴトノツキ
田毎の月
ツバキ科ツバキ属・常緑高木

タゴトノツキとはまた変わった名前だが、サザンカの仲間だ。
田毎の月とは、姥捨伝説で知られる長野県千曲市の姥捨の棚田一つ一つに月が映っている情景を言う。
タゴトノツキは、この花が咲いている様子を田毎の月に見立てたのが名前の由来。
一度見てみたいが、同時に田ごとに月が映り込むことはなく、これは心象風景のようだ。
ちなみに与謝蕪村は、以下のような句を詠んでいる。
さみだれや田ごとの闇と成にけり
採用分にステキな記念品を差し上げます。