【小説家・蝉谷めぐみが語る】第2回 相棒とゆく作家道


作家が創作環境で使っているものってどんなものだろう?
創作のお供である相棒=愛用品について、実際に使っているものをご紹介いただきながら語ってもらいます。
今回の作家:蝉谷めぐみ

小説家。1992年、大阪府生まれ。
2020年、『化け者心中』で第11回小説 野性時代 新人賞を受賞し、デビュー。21年に同作で第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞、第27回中山義秀文学賞を受賞。22年に刊行した『おんなの女房』で第10回野村胡堂文学賞、第44回吉川英治文学新人賞を受賞。24年、『万両役者の扇』で第15回山田風太郎賞を受賞。
相棒:Uber Eatsのアプリ
職場で購入したコンビニ弁当をかっ喰らっていると、自炊はしないのかと聞かれることがよくあった。いやあ、料理をする時間が取れなくて、と口にするその心の中では、なぜなら大傑作を書いているのでねえ! と声高々に付け足していた。私が公募にせっせと小説を投稿し続けていた頃のお話である。
料理の時間もとれず小説に打ち込んでいる自分への悦もちょっぴりありつつ、書き上げた自称傑作は公募の箸にも棒にもかからなかった。そこから落ちに落ちまくり、四年目になってようやっと賞を受賞することができた。仕事は辞めなかったので、いやあ、料理をする時間が取れなくて、との言い訳を使い続けていたが、専業作家になった今、それは通用しなくなってしまった。
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仕方がないと重い腰を上げて自炊に挑戦してみたものの、大匙二杯半の半ってどのくらい? 飴色まで炒めなさいと言うのなら飴色の見本を載せてくれ、とクックパッドに翻弄された結果、私はUber Eatsに頼って生きていくことを心に決めた。


Uber Eatsはよくできた相棒だ。お腹を満たしてくれるのはもちろんのこと、ドアをちょっぴり開けての配達員さんとの会話に備えて、私に寝巻きを脱がせて顔を洗わせてと、人としての身なりも整えてくれる。執筆のモチベーションとしての役目も、ご褒美としての役目も担ってくれるのだから、大助かりだ。私の場合、気合いを一丁入れたいときはにんにく多めのホルモン焼きを。一作書き上げた自分へのご褒美には、ミスタードーナツを好きなだけ頼む。

つまりは、自分の好きなものに注力する分、自分の不得意な分野は誰かに頼る選択肢があってもいいということ。なぜなら大傑作を書いているのでねえ!と自分を鼓舞する心持ちは、これからも持ち続けていたいと思う。
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