絹谷幸二芸術賞、大賞は浅野友理子さん、新世代アーティスト3人を表彰


植物をテーマにした絵画で新境地を開く浅野友理子さんが大賞受賞
第3回絹谷幸二芸術賞の受賞者が決定した。大賞に選ばれたのは1990年宮城県生まれの浅野友理子さんである。同賞は洋画家で文化勲章受章者の絹谷幸二が昨年8月に死去したことを受けて、絹谷氏の「これからの芸術文化発展を担う若手アーティストを支援したい」という熱意に産経新聞社などが賛同し、2023年に創設されたコンクールである。
浅野さんの作品は、東北地方を中心としたフィールドワークをもとに、その土地固有の食文化や植物の利用法、人々の営みなどを取材している。日本画材と油彩を融合させ、生命力溢れる筆致で描かれる装飾的な画面には、人と自然との共生や生命の循環といった今日的課題への関心が内在している。国際芸術祭「あいち2025」などでも注目を集めており、同年で大賞100万円が贈呈される。
奨励賞は大東忍さん、審査員特別賞は松元悠さんが受賞
奨励賞には1993年愛知県生まれの大東忍さんが選ばれた。過疎地や住宅街などを訪れ、主に夜の風景を木炭で描く作風が特徴である。その地で盆踊りを踊りながら場所が孕む記憶を身体的に捉えており、忘れ去られた場所を「供養」しつつ匿名化していく制作スタイルと、深い精神性を湛えたモノクロームの表現が評価されている。「VOCA展2024」VOCA賞などを受賞しており、奨励賞として賞金50万円が贈呈される。
審査員特別賞は今回より新設され、1993年京都府生まれの松元悠さんが受賞した。法廷画家として活動する傍ら、事件の現場やその周縁に赴き、そこで得た経験や想像をもとにリトグラフ作品へと再構築している。事件の当事者の姿を自ら演じながら自画像にして作品に落とし込むことで、ニュースとその受け手の視線から生まれる重層的な「真実」を浮き彫りにする表現が注目されており、賞金30万円が贈呈される。
40歳以下の若手アーティストを支援する制度として発展
絹谷幸二芸術賞は、40歳以下の美術作家を対象とし、全国の美術関係者から推薦された候補者の中から、国立国際美術館館長の島敦彦氏と草間彌生美術館館長の建畠晢氏による厳正な審査を経て受賞者が決定される。第3回では推薦者84人、推薦を受けた作家72人の応募があった。式典では受賞者にそれぞれ賞状と賞金、および副賞の画材が贈呈され、受賞者の作品が展示された。会場には参列者約100人が訪れ、高円宮妃殿下も臨席されて受賞者らとご懇談されるなど、期待の若手アーティストたちへの期待と応援が示された。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002035.000022608.html