戦争と映像をめぐる映像劇場、国立国際美術館で3月開催


戦争記録と映像の歴史をめぐる問い
国立国際美術館では、2026年3月15日(日)に第29回中之島映像劇場「戦争と映像|Wars and Images」を開催する。政治学者メアリー・カルドーが指摘した「新しい戦争」という概念に基づき、アイデンティティ・ポリティクスに直結するイメージの生産と保存における美術館の役割を問い直す企画である。この催しは、東京国立近代美術館の企画展「記録をひらく 記憶をつむぐ」(2025年7月15日~10月26日)と連動して企画された。
亀井文夫の戦争ドキュメンタリーを再考
第1部では、戦前日本の映像作家亀井文夫(1908~1987年)を中心に展開される。立命館大学人文科学研究所客員研究員の大月功雄氏が「戦争ドキュメンタリーの詩学―亀井文夫における沈黙の抵抗」をテーマに講演を行う。その後、亀井文夫による日中戦争三部作の一つである《戦ふ兵隊》(1939年、66分)が上映される。この作品は厭戦的な内容を理由に1975年まで公開が禁止されていた。放送メディアで初めて終戦を知った日本国民にとって、第二次世界大戦の終わりは「映像のない終戦」であった。大島渚が指摘したとおり、「私たちの映像の歴史は、どんな映像が存在したかということより、どんな映像が存在しなかったということの歴史」なのである。
現代美術にみる戦争と映像の関係性
第2部ではメディアに媒介された戦争をめぐる現代美術の作品を上映する。ハルーン・ファロッキ(1944~2014年)の《消せない火(燃え尽きない火焔)》(1969年)から始まり、ヒト・シュタイエル(1966年生まれ)の《November》(2004年)、ローレンス・アブ・ハムダン(1985年生まれ)の《くるまれた鋼》(2016年)、エルカン・オズケン(1971年生まれ)の《紫のモスリン》(2018年)が上映される。フォレンジック・アーキテクチャーに属するハムダンの作品は、2014年ヨルダン川西岸地区でイスラエル兵士によって射殺されたパレスチナ人の事件を扱い、証人や裁判官のやり取りを通じて観客が「声なきものの死」を耳で追体験する構成となっている。
開催情報と参加方法
開催日は2026年3月15日(日)。第1部は11時開始で12時50分終了予定、第2部は14時開始で15時35分終了予定である。各部入れ替え制で、開場は各部開始15分前となる。会場は国立国際美術館地下1階講堂(大阪市北区中之島4-2-55)で、参加費は無料(各部先着100名)。整理券は当日10時から地下1階インフォメーションにて配布される。問い合わせは国立国際美術館(TEL:06-6447-4680)まで。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001134.000047048.html