ガラス芸術が放つ光の魅力、飛驒高山美術館2周年記念展


アール・ヌーヴォーから現代までのガラス芸術を一堂に
光・音・香りが織りなす新たな芸術体験を提供する飛驒高山美術館では、2026年7月26日(日)まで「開館2周年 飛驒高山美術館収蔵コレクション展~アール・ヌーヴォーから現代までのガラス芸術~」を開催中である。常設展示の一部を入れ替え、当館コレクションの魅力をあらためて紹介する本展では、時代ごとに異なるガラス表現の変化と、その根底に流れる共通性を浮かび上がらせている。
光によって完成する造形、ガラスと照明の関係性
本展の最大の見どころは、自然光や展示照明を受けることで表情を変える作品が随所に配置されている点である。エナメル彩の繊細な陰影、照明と一体化した彫刻が生み出す光の揺らぎ、空間全体に色彩を落とす大型作品。ガラスが光を受けてはじめて立ち上がる素材であることを、時代の異なる作品を通して体感できる。
モチーフの変化から見える、ガラス芸術の進化
昆虫や植物といった自然の観察から出発した表現は、やがて人の体の動きや舞踊へ、さらに現代では空間そのものを取り込む表現へと広がっていく。本展では、こうしたモチーフの変化を年代順に並べるのではなく、館内を回遊しながら体感できる構成としている。作品を追うごとに、ガラス芸術の関心が「かたち」から「体験」へと移ろっていく様子が浮かび上がる。
制作100周年を迎える傑作、ルネ・ラリックの噴水
ルネ・ラリックが1926年に制作した「シャンゼリゼ・ショッピング・アーケイドの噴水」は、アール・デコ期を代表する大規模なガラス作品のひとつであり、2026年に制作から100年を迎える。プレスガラスやサンドブラスト、カーヴィングなどの技法を駆使し、ガラスと金属、水を組み合わせたこの噴水は、装飾性と構造性を兼ね備えた造形によってルネ・ラリックの卓越した才能を示しており、アール・デコ期の最高傑作といえる。飛驒高山美術館のロビー中央に据えられた本作は、空間の中心で水音と光をまといながら、来館者を迎え入れている。
アール・ヌーヴォーの詩情を凝縮した作品群
展示作品の中には、エミール・ガレのエナメル彩花瓶「蝉と蜻蛉」や、アメリカの装飾芸術家ルイス・C.ティファニーによる花器「フラワーフォーム」など、時代を代表する傑作が並ぶ。ガレの作品では、透明ガラスにエナメル彩を施し、光の角度によって色彩や陰影が移ろい、昆虫の羽が今にも震え出すかのような生命感を湛えている。ティファニーが開発した「ファブリルグラス」による虹色の光沢は、単なる着色では出せない深みとサテンのような質感を生み出し、植物の生命力と儚さを表現している。
基本情報と来館案内
展覧会は2026年7月26日(日)まで、10時から18時まで(最終入館17時)の時間で開催される。料金は大人2,000円、大学・高校生1,800円、中学生1,300円、小学生500円である。飛驒高山美術館は岐阜県高山市上岡本町1丁目124番地1サンクチュアリコート高山内に所在し、問い合わせは0577-40-1007(8時~18時)で対応している。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000337.000047917.html