直木賞作家の新作『異常に非ず』4月22日刊行、三菱銀行事件の真実に迫る


昭和の未解決事件を題材にした入魂の長篇小説
『ホテルローヤル』で直木賞、『家族じまい』で中央公論文芸賞を受賞した桜木紫乃の新作『異常に非ず』が4月22日(水)に新潮社より刊行される。親と子、男女の関係を描きつづけてきた著者がその究極に分け入り、真の姿に迫る長篇小説である。
三菱銀行立て籠もり事件の真実とは
昭和54年1月、大阪市の阪央銀行北畠支店に行員と客、およそ30人を人質にして立て籠もった花川清史(30)。その翌日、大阪府警はヘリを飛ばし、香川に住む母のカヨに息子を説得させようとした。しかし、ヘリに乗り込むまでの2時間、母は姿をくらまし、美容室で髪をセットしていたのだ。また、花川は駆け付けた母との会話を拒絶。事件は射殺で幕を閉じ、行内での花川の残忍な所業だけでなく、自身について語った言葉も判明する。
毎報新聞デスクの近藤はその言葉に引っかかり、事件は解決したが、なにも解明されていないと考えた。そして新聞紙面で連載企画を立ち上げ、取材を開始するのである。
著者が見つめた普遍的なテーマ
男を事件に駆り立てたのは、母か女か社会か、それとも彼自身だったのか。母は問い返し、女は振り返り、記者は掘り起こし、真実がひとつ、またひとつ明らかになっていく。著者のコメントによると、ラストにさしかかったあたりで、どんな賢者も犯罪者も等しく女から生まれるという事実に突き当たったという。そこからは、ひとりの人間、ひとりの母として改めて己の来し方を振り返る時間となったと述べている。
書籍情報
『異常に非ず』は46判ハードカバーで、定価は2750円(税込)。著者の桜木紫乃は1965年北海道生まれで、2002年「雪虫」でオール読物新人賞、2013年『ラブレス』で島清恋愛文学賞を受賞している。著著には『緋の河』『孤蝶の城』『人生劇場』など多数がある。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002711.000047877.html