テムザックのロボット患者型シミュレーター、欧州初導入


ポーランドの医科大学に小児歯科ロボット導入
株式会社テムザックが開発した小児歯科患者型シミュレーターロボット「Pedia_Roid(ペディアロイド)」が、ポーランドのMedical University of Lublin(ルブリン医科大学)に導入され、2026年2月より稼働を開始した。欧州への導入は今回が初の事例である。Pedia_Roidは同大学のシミュレーションセンターに設置され、歯学部の前臨床教育において活用される。学生は実際の診療に近い状況でトレーニングを行うことで、臨床現場への移行をよりスムーズに行うことが可能になる。
従来の歯科教育では対応が困難な実践的スキル習得
従来の歯科教育では、静的な模型(ファントム)を用いたトレーニングが中心であった。しかし実際の診療現場では、患者が突然動く、恐怖や不安による行動変化、突発的な体調急変など、より複雑な状況への対応が求められる。特に小児歯科では、患者対応そのものが治療の成否を左右する重要な要素となっており、従来の教育手法では十分に再現できない課題があった。加えて、医療教育の現場では小児患者に対する臨床実習の機会が限られていることも、実践的な技術習得を難しくする一因となっていた。
リアルな小児患者の動作や反応を完全再現
Pedia_Roidは、こうした課題に対応するために開発された。治療を嫌がる子どもがジタバタと暴れる動作や、病状の急変といった状況をリアルに再現できるほか、喜怒哀楽の感情表現や、顔色・瞳孔・呼吸音の変化なども細かく再現する。身長110cm、体重23kgの全身モデルで、年齢5~6歳を想定した設計になっている。シリコン素材を使用しており、口腔内には歯の切削が可能な模型を装着している。
処置技術と患者対応を同時に訓練できる環境
Pedia_Roidは歯科治療技術の習得に加え、患者対応や一次救命を含むトレーニングを繰り返し行うことが可能である。小児歯科治療トレーニングでは、挨拶・感情表現、口の動き(開閉・くしゃみ・咳・嘔吐反射)、舌の動き(前後左右)、暴れる動作、胸上下、頭部の動きなどを再現する。急変時対応トレーニングでは、眼球動作、瞳孔(対光反射)、顔色の変化、痙攣動作、喘鳴、陥没呼吸、脈拍の確認が可能である。心音・呼吸音の聴診やバイタルモニター表示、胸骨圧迫、採血、CRTなどにも対応している。
世界各国への展開を目指す医療教育ロボティクス
テムザックは今後も医療教育向けロボティクス技術の開発を推進し、より安全で高度な医療教育環境の構築を支援していく予定である。歯科教育分野において、シミュレーション技術とロボティクスを融合したトレーニングシステムを世界各国の教育機関へ展開することで、次世代の医療人材育成に貢献していくとしている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000029724.html